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乾燥させて大変身 キノコの栄養をたっぷり摂る方法

2021/10/19 06:36 ウェザーニュース

キノコといえば秋の味覚の代表の一つです。キノコの種類は400種類程度で食用になるものは約100種類、そのうち15種類程度が日本で出回っていると言われています。

低カロリーの食品で味の主張もあまり強くないため脇役に回りがちのキノコですが、乾燥させるとその栄養成分や食感が劇的に変わる食品だそうです。詳しい話を管理栄養士の柴田聡美さんに伺いました。

キノコは干すとビタミンDやB1が増加

「シイタケは乾燥させるとビタミンDがぐっと増加します。ビタミンDは血液中のカルシウムの吸収率をアップさせる働きがあるため、骨を強くして骨粗しょう症を予防する効果があると言われています。

また、マイタケは乾燥させるとビタミンDは減少するものの、糖質の代謝を促進し、疲労回復のビタミンと言われるビタミンB1が約3倍に増えます。またシイタケもマイタケもミネラル類のカリウムがほぼ倍増します。カリウムはナトリウムの排出を促すので、高血圧の予防にも効果があります」(柴田さん)
生と乾燥で変化するキノコの栄養成分
キノコの種類によって、乾燥させると増える栄養素が異なるのも興味深いですね。

「さらに、水に溶けない不溶性の食物繊維も豊富です。不溶性食物繊維は腸内環境を整え、コレステロールの吸収を抑える働きがあります。

その他には、エノキダケも乾燥させるとビタミンDが増加するとされています。また、エノキダケ独特の脂肪酸が含まれ、この脂肪酸は内臓脂肪を減少させる働きがあると言われています。

キノコは乾燥させると細胞膜が破けて成分が出やすくなるので、栄養成分を無駄なく摂ることができるのです」(柴田さん)

食感シャキシャキ、旨みも増加、長期保存も

乾燥させると栄養成分が変化するだけではなく、食感や旨味もアップするそうです。

「シイタケやマイタケなどキノコ類は乾燥させると酵素が働いて、うまみ成分であるグアニル酸がぐんと増えます。また同様に香り成分であるレンチオニンが生成され、よい香りがするようになります。さらに水分が抜けることによって、水で戻してもシャキシャキとした食感になり、食べ応えも出ます。

生の状態では傷みやすいですが、乾燥させておけばかさも減り、長期保存も可能です。使いたいときに水で戻せば使えますし、戻した汁はうまみが出ているのでダシになります」(柴田さん)

これから湿度が下がって乾燥した日が多くなります。旬のキノコを天日干ししてキノコの栄養成分をたっぷりおいしく摂るのはいかがでしょうか。

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