昨シーズンは現行調査で初の「流行なし」
例年、国内のインフルエンザ感染者数は推定約1000万人いるといわれています。ところが2020年秋から2021年春にかけての昨シーズンは、厚生労働省の推計で医療機関の受診者数が約1万4000人にとどまり、現行の調査が始まった1999年以来初めて「流行なし」とされました。
「昨シーズン、季節性インフルエンザ患者が激減した要因のひとつとして、ワクチン接種が比較的早い時期から行われたことがあげられます。新型コロナとの同時流行が懸念されたことから早期接種が啓発され、実際に多くの人が接種したことが減少の理由と考えられます。
しかし、今シーズンはインフルエンザ流行の季節を前にしてコロナウイルス感染症患者が減少傾向にあり、非常事態宣言やまん延防止措置などの対策が緩和されたり市民の危機意識が低下したりすることによって、マスクの着用や手洗いなどがおろそかになってしまう懸念があります。
さらに海外からの渡航制限が緩和されれば、インフルエンザウイルスが国内に持ち込まれて、大流行するおそれも生じます。WHO(国連世界保健機関)の報告によると、2021年の流行シーズンにおいて南半球のオーストラリアやニュージーランドでは患者数が極めて少なかったものの、アジア亜熱帯地域のバングラディシュやインドでは、この夏からインフルエンザの流行が認められています」(吉田院長)
「昨シーズン、季節性インフルエンザ患者が激減した要因のひとつとして、ワクチン接種が比較的早い時期から行われたことがあげられます。新型コロナとの同時流行が懸念されたことから早期接種が啓発され、実際に多くの人が接種したことが減少の理由と考えられます。
しかし、今シーズンはインフルエンザ流行の季節を前にしてコロナウイルス感染症患者が減少傾向にあり、非常事態宣言やまん延防止措置などの対策が緩和されたり市民の危機意識が低下したりすることによって、マスクの着用や手洗いなどがおろそかになってしまう懸念があります。
さらに海外からの渡航制限が緩和されれば、インフルエンザウイルスが国内に持ち込まれて、大流行するおそれも生じます。WHO(国連世界保健機関)の報告によると、2021年の流行シーズンにおいて南半球のオーストラリアやニュージーランドでは患者数が極めて少なかったものの、アジア亜熱帯地域のバングラディシュやインドでは、この夏からインフルエンザの流行が認められています」(吉田院長)
今シーズンは集団免疫がない!?
日本感染症学会は「社会全体の集団免疫がない」と注意を呼び掛けています。
「インフルエンザの感染者数は2020~2021年シーズンの約1万4000人はもちろん、2019~2020年シーズンも約728万5000人と“比較的患者数が少なかった”とされ、減少傾向が2年間続きました。これによって今シーズンは、集団免疫が形成されない状況がより顕著に現れる可能性があると指摘されているのです。
実際、イギリスでも『今年のインフルエンザは早期に流行が始まり、昨年流行がなかったために例年の1.5倍の大きさになる可能性がある』とみて、政府はインフルエンザワクチンの早期接種を呼び掛けています」(吉田院長)
「インフルエンザの感染者数は2020~2021年シーズンの約1万4000人はもちろん、2019~2020年シーズンも約728万5000人と“比較的患者数が少なかった”とされ、減少傾向が2年間続きました。これによって今シーズンは、集団免疫が形成されない状況がより顕著に現れる可能性があると指摘されているのです。
実際、イギリスでも『今年のインフルエンザは早期に流行が始まり、昨年流行がなかったために例年の1.5倍の大きさになる可能性がある』とみて、政府はインフルエンザワクチンの早期接種を呼び掛けています」(吉田院長)
新型コロナワクチンとの同時接種は?
インフルエンザワクチンは今シーズン、いつまでに接種するべきなのでしょうか。
「厚労省によると、2021~2022年シーズンの季節性インフルエンザワクチンの供給予定量は8月時点で、約2567万本〜約2792万本(1本は大人2回分)です。新型コロナウイルス感染症との同時流行のおそれから供給量が過去5年間で最大(約6300万人分)だった昨年より少なくなりますが、例年の使用量に相当する程度は供給される見通しです。また、供給時期が遅めになるものの、12月中旬ごろまで継続的にワクチンが供給される見込みといいます。
インフルエンザは例年、気温や湿度が低下する12月〜4月に流行し、1月末〜3月上旬にピークを迎えます。
ワクチンの予防効果が期待できるのは接種の2週後から5ヵ月程度と考えられていますので、ワクチンの供給状況にもよりますが、新型コロナワクチンを既に接種済みの方は、インフルエンザの本格的な流行前に接種することをおすすめします。できれば11月中、遅くとも12月初旬までにはワクチン接種を終えると良いでしょう。
また、新型コロナワクチンとの同時接種については、ワクチン分科会が9月17日の発表で『安全性に関する十分な知見が得られていないことから、現時点では原則として13日以上空けることとする』としています。
同時接種してしまうと、仮に副反応があった時に、どちらが原因の副反応かがわからなくなってしまうこともあるので、これから新型コロナワクチンを受ける予定がある人は、2週間空けてインフルエンザワクチンを接種するようにしてください」(吉田院長)
ワクチン接種を検討されている方は、早めの調整・予約が良さそうです。
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「厚労省によると、2021~2022年シーズンの季節性インフルエンザワクチンの供給予定量は8月時点で、約2567万本〜約2792万本(1本は大人2回分)です。新型コロナウイルス感染症との同時流行のおそれから供給量が過去5年間で最大(約6300万人分)だった昨年より少なくなりますが、例年の使用量に相当する程度は供給される見通しです。また、供給時期が遅めになるものの、12月中旬ごろまで継続的にワクチンが供給される見込みといいます。
インフルエンザは例年、気温や湿度が低下する12月〜4月に流行し、1月末〜3月上旬にピークを迎えます。
ワクチンの予防効果が期待できるのは接種の2週後から5ヵ月程度と考えられていますので、ワクチンの供給状況にもよりますが、新型コロナワクチンを既に接種済みの方は、インフルエンザの本格的な流行前に接種することをおすすめします。できれば11月中、遅くとも12月初旬までにはワクチン接種を終えると良いでしょう。
また、新型コロナワクチンとの同時接種については、ワクチン分科会が9月17日の発表で『安全性に関する十分な知見が得られていないことから、現時点では原則として13日以上空けることとする』としています。
同時接種してしまうと、仮に副反応があった時に、どちらが原因の副反応かがわからなくなってしまうこともあるので、これから新型コロナワクチンを受ける予定がある人は、2週間空けてインフルエンザワクチンを接種するようにしてください」(吉田院長)
ワクチン接種を検討されている方は、早めの調整・予約が良さそうです。
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