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週刊地震情報 2021.10.10 東北、関東で震度5強の地震が相次ぐ

2021/10/10 11:13 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された地震回数は前週に比べると若干少なくなりました。北日本の太平洋側や関東平野での地震活動が目立っています。

震度1以上の回数は減少した一方で、この期間の震度3以上の地震は5回と多く、そのうち2回は震度5強を観測しました。(10月4日~10日10時の集計)

国内:千葉県北西部でM5.9 東京23区の震度5強は10年ぶり

千葉県北西部の地震
7日(木)22時41分頃、千葉県北西部を震源とするマグニチュード5.9、深さ75kmと推定される地震が発生しました。この地震により東京都足立区と埼玉県川口市、宮代町で最大震度5強を観測しています。東京23区内で震度5強以上の強い揺れを観測するのは、2011年3月11日の東日本大震災を引き起こした超巨大地震以来のことです。

地震のメカニズムは東西方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。今回の震源付近は関東平野でも非常に地震が多く発生している地震の巣と言っても良いような地域です。2005年7月23日にはほぼ同じ位置で、マグニチュード6.0の地震が発生しています。

2005年の地震の際は、発生から2週間ほど経過したタイミングでマグニチュード4.7、最大震度4の地震が起きました。今回は今の所、地震活動が落ち着いているものの、しばらくは強い揺れに注意をしてください。

国内:岩手県沖のM5.9では青森県で震度5強

岩手県沖の地震
6日(水)2時46分頃、岩手県沖を震源とするマグニチュード5.9、深さ56kmと推定される地震が発生しました。この地震により青森県階上町で震度5強、青森県八戸市、南部町、岩手県盛岡市で震度5弱の強い揺れを観測しています。震度1以上の揺れは北海道の道東から関東の広範囲に及びました。

地震のメカニズムは北西ー南東方向に圧力軸をもつ逆断層型で、2011年の超巨大地震以降に活動が活発になっている領域です。震源の深さから、沈み込む太平洋プレートと陸側のプレートの境界もしくは太平洋プレートの内部で発生したと見られます。

今回の震源付近を含む、青森県東方沖から岩手県沖北部にかけては、プレート境界で発生するマグニチュード7.9程度の巨大地震の発生が想定されています。また、沈み込んだプレート内部で発生するマグニチュード7.0~7.5の地震も想定されており、今回以上の地震に対する備えが日頃から必要です。

1週間で3回の緊急地震速報(警報)

緊急地震速報(警報)の発表状況
前述の2つの地震に加え、6日(水)夕方に九州で発生した地震でも緊急地震速報(警報)が発表されました。わずか2日間で別の地域に3回の緊急地震速報(警報)が発表されるケースは最近では例がありません。

岩手県沖と大隅半島東方沖の地震は海域が震源でしたが、陸地から近かったため沿岸の一部の地域では、緊急地震速報よりも先に主要動が到達していました。逆に陸域で発生した千葉県北西部の地震では、深さが75kmとやや深かったこともあり、最も揺れが強かった地域では緊急地震速報から5秒ほど後に主要動が到達したと見られます。

緊急地震速報はその仕組みから、陸域もしくは沿岸近くで浅い地震の場合、大きな揺れが先に到達します。こうした情報の特性を把握した上で、有効に利用してください。
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世界:サウスサンドウィッチ諸島近海でM6.3

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は2回発生しています。最も大きなものは9日(金)にバヌアツ近海で発生したマグニチュード6.8の深発地震です。

日本時間の4日(月)昼過ぎにはサウスサンドウィッチ諸島近海でマグニチュード6.3の地震が発生しました。深さ10kmほどの浅い所が震源です。地震のメカニズムは北東ー南西方向に張力軸を持つ正断層型と解析されています。地震の規模がそれほど大きくなかったため、津波は起きていません。

サウスサンドウィッチ諸島近海は南アメリカプレート、南極プレート、スコシアプレートの境界で、地震が多い領域です。今回の震源は南極プレート、スコシアプレートの境界付近で発生しました。この周辺では8月にマグニチュード6~7の地震が多発しましたが、9月以降は活動が落ち着いていました。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。