雲海シーズン到来
霧に浮かぶ「天空の城」
2021/09/23 10:35 ウェザーニュース
今日9月23日(木)の朝は霧の発生したところがあり、兵庫県朝来市の竹田城跡周辺に幻想的な「雲海」が出現しました。
この時期に見られやすい「放射霧」によるものとみられます。
放射冷却で霧が発生
秋から冬は夜~早朝に晴れていると、放射冷却によって地面の熱が上空へ逃げます。すると地面に近いところの空気も冷やされ、空気中の水蒸気が水滴に変わることで放射霧と呼ばれる霧が発生します。これを高いところから見ると雲海となります。兵庫県朝来市の竹田城跡がある場所のように、盆地で見られる雲海はこの放射霧のタイプが多いといえます。
写真に写っている竹田城は標高353.7mの古城山山頂に築かれた古城ですが、霧が発生すると城が霧の上に浮かんでいるように見えます。そのため「天空の城」と呼ばれることもあるようです。
日差しが届いてもにわか雨に注意
今日の近畿北部は日差しが届きますが、午後は日本海から雨雲が接近しにわか雨になる可能性があります。長く降る雨ではありませんが、天気の急変に注意してください。
秋に現れやすい雲海
【放射霧の雲海】
夏に比べて日照時間が短くなる秋は、夜間の放射冷却によって地面が非常に冷えます。すると地面に近いところの空気も冷やされ、空気中の水蒸気が水滴に変わることで放射霧が発生。これが雲海となります。
盆地に見られる雲海は、ほとんどがこのタイプです。
【雨上がりの雲海】
雨上がりの地面は多くの水分を含んでいます。雨が上がってスッキリ晴れると、放射冷却によって早朝には雲海が発生します。
風が強いと雲海がその場に留まることができないため、天気が回復しても風が弱い、もしくは盆地のような周囲が山に囲まれていることが必要となります。
【川霧・湖霧・蒸気霧の雲海】
暖かい水面上に冷たい空気が流れこむと、水面からの水蒸気が冷やされて水滴が発生します。これは蒸気霧と呼ばれるものです。
放射霧の雲海や雨上がりの雲海は、局地的に発生しますが、蒸気霧は広範囲にわたって発生しやすいのが特徴です。
参考資料など
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)