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平常の状態が続く見込みも、ラニーニャ現象発生の可能性あり(エルニーニョ監視速報)

2021/09/10 14:14 ウェザーニュース

気象庁は10日(金)、最新のエルニーニョ監視速報を発表しました。監視海域では平常の状態となっており、しばらくはこの状態が続く見込みです。

8月のエルニーニョ監視海域の海面水温は基準値に近く0.3℃低いだけでした。海洋表層の水温は西部から中部で平年より高く、東部では平年より低くなっています。また、日付変更線付近の対流活動は平年より不活発でしたが、太平洋赤道域中部の貿易風(東風)は平年程度になりました。

海洋の状態にはラニーニャ現象に類似した海面水温分布となっている一方、大気の状態にはラニーニャ現象時の特徴が見られず、平常の状態と考えられます。

10月以降はラニーニャ現象の発生確率が30%に

太平洋赤道域の東部に見られる海洋表層の冷水が持続し、東部の海面水温は一時的に低下すると考えられます。

エルニーニョ・ラニーニャの動向を予測するコンピューターシミュレーションの結果では、太平洋赤道域の西部で海面水温が高く、対流活動が活発となりやすいことから、太平洋赤道域の中部を中心に東風の偏差が秋に強まり、ラニーニャ現象に類似した状態が持続する見込みです。ただ、ラニーニャ現象の基準まで達する可能性は低いと予測しています。

10月以降は平常の状態が続く確率が70%と最も高いものの、ラニーニャ現象の発生確率がやや上がり30%となります。

現時点ではエルニーニョ、ラニーニャの影響はない見通し

現時点では、太平洋赤道域の海洋と大気は平常の状態で経過する可能性が高く、秋から冬の天候にエルニーニョ、ラニーニャの大きな影響はない見込みです。

ラニーニャ現象が発生した場合も、顕著ではないため、天候への影響は限定的と考えられます。
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参考資料など

気象庁より