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8月の大雨による避難の実態調査 感染症へのリスクで避難行動に影響も

減災調査2021(9月)

2021/09/01 12:59 ウェザーニュース

2021年は災害対策基本法が改正され、避難情報の仕組みが大きく変化した年。今夏もコロナ禍において、台風や前線による大雨で、土砂崩れや複数の河川で氾濫が発生し、「避難指示」や「緊急安全確保」が各地で発令されました。

そこで、避難行動に変化があったのか、2021年8月の大雨における避難の実態調査を行いました。

■ 減災調査2021(9月)概要 ■

調査方法:アプリ「ウェザーニュース」内でアンケートを実施
調査期間:2021年8月25日〜29日
有効回答数:8,840人

5人に1人は避難行動せず



2021年8月の大雨で、全体の約2割の方が避難指示が発令されたことを認識していました。その中でも、「水平避難」「垂直避難」「その場に留まる」のいずれかの避難行動をとった方は約8割になりました。ただ、残りの約2割の方は避難行動せずに、何も検討しなかったとの回答でした。

避難行動の実態:人混みを避け、親戚の家やホテルへ


また、「水平避難」を行った人の中で、避難行動について具体的に伺ったところ、「三密を避けるため、指定避難場所ではなく、家族や親戚の家、ホテルなどに避難した」という回答がほとんどでした。

身の安全とともに、感染症へのリスクを考慮に入れた避難先を選ぶ、という行動の変化が出てきていることが、今回の調査からわかりました。

4人に1人が感染症リスクを考慮 避難の判断にも影響



次に、「新型コロナウイルス感染による緊急事態宣言中の避難行動について、感染症リスクを理由に避難行動に変化はありましたか?」と質問した所、4人に1人は「変化があった」と回答がありました。

この避難行動の変化について具体的にコメントを見ると「密を避けるため避難を拒む」が過半数を占めており、感染症へのリスクの懸念が、避難をするかしないかの判断にも影響を及ぼしていることがわかりました。

コロナ禍での避難場所の選択肢を改めて確認

避難行動の選択肢
改めて、コロナ禍でも危険が迫った場合に迅速な行動をとれるように、避難について考えておきましょう。避難場所の候補として挙げられるのは大きく4つです。

1、指定された避難場所
避難所が開設される際は、各地方自治体によって一定の感染症対策がとられるかと思います。周囲に危険を感じたら、迷わず移動してください。

2、安全な場所の親戚や知人宅
避難所への集中を少しでも緩和させるため、安全な知り合いや親戚宅への避難も検討してみてください。

どちらの方法も難しい場合には、以下の選択肢もあります。

3、安全な場所で車内待機
多くの人と同じ空間で過ごすことに不安を感じる場合には、安全な場所で車内待機をするという方法もあります。
ただし、長時間の車内待機はエコノミークラス症候群発症の可能性もあるため注意してください。避難生活が長期間に渡る場合は、車中で過ごすことは避けるようにしてください。

4、在宅避難
自分がいる場所が安全な場合、あるいは避難の時間がなかったり夜間で動くのが危険な際などは、1階から2階へなど、自宅のできる限り高いところへ移動してください。

防災の日を機に、改めてハザードマップなどと照らし合わせながら、それぞれの状況に合わせた最適な避難方法を確認しておいてください。
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参考資料など

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)佐賀県小城市からの投稿