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水でカップ麺が作れる!? 災害時に役立つ非常食の豆知識4選

2021/09/01 06:30 ウェザーニュース

9月1日は「防災の日」です。1923年に関東大震災が発生した日にあたることから、1960年に制定されました。この時季は台風シーズンを控え、とくに今年は秋雨前線の停滞によって各地で豪雨被害がすでに頻発していることもあり、この日をきっかけに防災意識を高めておくことが必要です。

災害の際には「非常食」が重要な役割を果たします。なかでもカップ麺は長期備蓄も可能で手軽なアイテムですが、調理に必要な温かいお湯が確保できない場合も考えられます。そんなときに役立つのが、警視庁警備部災害対策課が公式Twitterで発信している「非常食を少ない水と火で食べられるようにする」方法です。

東日本大震災をきっかけにTwitterで発信

災害対策課が公式Twitterで災害時に役立つ情報の発信を始めたのは、2011年に発生した東日本大震災がきっかけだったといいます。「正しい情報がわかりやすい表現で示されている」と市民からも好評で、一つの投稿に16万以上の「いいね」が付くこともたびたびだそうです。

災害時に役立つ「非常食の豆知識4選」を、災害対策課の公式Twitterから紹介しましょう。

【豆知識1】水漬けパスタ

「水漬けパスタ」は、乾麺を少ない水と火で調理できる方法で、非常時には心強い味方になります。また、ふだんでも光熱費を節約でき、驚くほど生麺に近いシコシコ食感になるのでオススメです。

「市販のパスタを水に漬け、クタッとさせて調理する技です。災害時などに、ガス・電気・水の節約につながるテクニックです。

パスタを4時間水に漬けた後、茹(ゆ)でずに、薄切りしたハムとタマネギ、ケチャップで1分間炒めて、ナポリタン風にしました。歯応えがよく、想像以上のおいしさでした」(災害対策課)

【豆知識2】水でカップ麺

災害対策課では、カップうどん、カップラーメン、カップ焼きそばの3種類を水で作っています。

「まず、カップうどんを水で作ると何分かかるのかを実践してみました。節水を考えて、通常よりも水を少なめに注ぎました。30分待ちましたが、麺はまだまだ硬い。その後、10分おきに麺をつついて確認すると、最終的には60分後になりました。

硬さは残りますが、災害などでお湯が使えない状況でも十分に食べられることが分かりました。

麺に味の付いたカップラーメンは、水を注いで15分。麺は少しかためでしたが、スープもちゃんとしみ出して、味も驚くほど“いい感じ”でした。試食した隊員の家族からも『冷やしラーメンみたいでありだよ、あり!』との感想が上がりました。

カップ焼きそばは災害時を想定し、カップに注ぐ水の量は少なめで、麺が隠れる程度に入れました。20分待ち、液体ソースをからめて完成です。注いだ水が少ない分、いわゆる『湯きり』で流す水の量は少なくてすみました。麺の固さと味はバッチリでした」(災害対策課)

【豆知識3】野菜ジュースでリゾット

続いて、栄養が偏りがちになる避難生活で、嬉しい一品です。

「野菜によって栄養を補うため、非常食のアルファ化米(白米)に常温の野菜ジュース、トマトジュースを入れて、リゾット風に作ってみました。

1時間くらいで米の芯もなくなり食べられるようになりました。粉チーズを混ぜれば子どももおいしく食べられると思います」(災害対策課)

【豆知識4】乾パンでお汁粉

最後は、避難生活中にうれしい、即席デザート。何かと不安を感じやすい災害時にほっとする温かいお汁粉です。

「備蓄していたアズキ缶を買替えるタイミングで、期限切れの近い乾パンと一緒にお汁粉を作ってみました。鍋にアズキと水を入れ、少し煮立ったら乾パンを投入します。

グツグツ煮込んで15分。乾パンはやわらかくなったもの、芯が堅いままのもの、いろいろでしたが、味は『いいね!』といえるものでした」(災害対策課)


公式Twitterのアカウント名は「警視庁警備部災害対策課」(@MPD_bousai)です。どのツイートも実際に災害現場へ派遣された隊員の実体験などに基づきながら、災害時に役立つ知識やグッズが、わかりやすい言葉で写真も添えて紹介されています。日ごろから発信された情報に注目し、いざというときの役に立ててください。

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