黒の衣服は熱を持ちやすいがマスクは?
「何色のマスクを使っていますか?」というウェザーニュースのアンケートでは、黒やグレーが6%だったのに対し、白は76%の人が使っていると答えました。その理由を一ノ瀬さんは、こう分析します。
「太陽光にはさまざまな波長の放射エネルギーが含まれていて、白い物体に当たると多くが反射され、黒い物体に当たると多くが吸収されます。吸収された太陽光は熱エネルギーとして取り込まれるので、黒に近い色ほど熱を持ちやすいのです。白いマスクを使う人が多いのは、熱中症を避けたい思いから無意識に、反射率の高い色を選んでいることも一因だと思われます」(一ノ瀬さん)
国立環境研究所が気温30℃の屋外で行った実験では、白いポロシャツに比べて黒いポロシャツは20℃も温度が上がりました(風がほとんどない状態で5分間放置した場合)。
しかし、マスクは衣服とは異なると一ノ瀬さんは語ります。
「太陽光にはさまざまな波長の放射エネルギーが含まれていて、白い物体に当たると多くが反射され、黒い物体に当たると多くが吸収されます。吸収された太陽光は熱エネルギーとして取り込まれるので、黒に近い色ほど熱を持ちやすいのです。白いマスクを使う人が多いのは、熱中症を避けたい思いから無意識に、反射率の高い色を選んでいることも一因だと思われます」(一ノ瀬さん)
国立環境研究所が気温30℃の屋外で行った実験では、白いポロシャツに比べて黒いポロシャツは20℃も温度が上がりました(風がほとんどない状態で5分間放置した場合)。
しかし、マスクは衣服とは異なると一ノ瀬さんは語ります。
白マスクと黒マスクの日照実験
「私たちが屋外で白マスクと黒マスクの表面温度を測ったところ、白色と黒色では、曇りの場合で約5℃、炎天下の強い日射しの下では約12℃の差がありました。しかし、風や湿気を測定条件に加えると、その差は著しく縮まったのです。
次の画像は炎天下で風がマスクの表面温度に与える影響を検証した実験結果です。風がなかった場合、白マスクと黒マスクの温度差は約12℃ありました。風速2m/s(早歩きくらい)の風があった場合、白マスクと黒マスクの温度差は約6℃に縮まりました。風速3m/s(自転車で走る程度)の風があった場合、白マスクと黒マスクの温度差は約1℃にまで縮まりました」(一ノ瀬さん)
次の画像は炎天下で風がマスクの表面温度に与える影響を検証した実験結果です。風がなかった場合、白マスクと黒マスクの温度差は約12℃ありました。風速2m/s(早歩きくらい)の風があった場合、白マスクと黒マスクの温度差は約6℃に縮まりました。風速3m/s(自転車で走る程度)の風があった場合、白マスクと黒マスクの温度差は約1℃にまで縮まりました」(一ノ瀬さん)
一定の条件下では黒マスクでも問題なし
これまで行った検証から、黒などの濃い色のマスクを着けたときに白マスクより暑いと感じることは、実際の生活ではほとんどないといえるでしょうと一ノ瀬さんは説明します。
理由は、
(1)マスクは衣服に比べて面積が小さい
(2)呼吸で湿るため、蒸発による放熱がある
(3)呼吸による空気の出入りが放熱を促進している
からです。
ただし、炎天下で強い日射しに向かってじっとしているなどの状況下では、注意が必要です。
「屋外でマスクが直接太陽にあぶられると、表面温度は上昇します。黒マスクの場合、日陰を歩くか日傘を使うなど、マスクの表面を直接日光に当てない工夫が必要です。日常の着用では、日射しを浴びてじっとしている場面は起こりにくいので、黒マスクでも危険はないと考えられます」(一ノ瀬さん)
理由は、
(1)マスクは衣服に比べて面積が小さい
(2)呼吸で湿るため、蒸発による放熱がある
(3)呼吸による空気の出入りが放熱を促進している
からです。
ただし、炎天下で強い日射しに向かってじっとしているなどの状況下では、注意が必要です。
「屋外でマスクが直接太陽にあぶられると、表面温度は上昇します。黒マスクの場合、日陰を歩くか日傘を使うなど、マスクの表面を直接日光に当てない工夫が必要です。日常の着用では、日射しを浴びてじっとしている場面は起こりにくいので、黒マスクでも危険はないと考えられます」(一ノ瀬さん)
マスク自体が持つ危険性に注意
「マスクの色の選択は自由ですが、炎天下では使い方に気をつけてください」と一ノ瀬さんは語ります。
「マスクをしていると、どうしても熱がこもりやすくなるので、マスクをしたまま負荷のかかる運動や作業をしない、意識して水分を摂る、などの対策が重要です。また、人との距離(ソーシャルディスタンス)を保ちながら、時折マスクを外して呼吸することも忘れないでください」(一ノ瀬さん)
まだまだマスクを手放せない日々が続きます。こうした注意点を守りながら、カラフルなマスクを楽しんでみてはいかがでしょう。
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「マスクをしていると、どうしても熱がこもりやすくなるので、マスクをしたまま負荷のかかる運動や作業をしない、意識して水分を摂る、などの対策が重要です。また、人との距離(ソーシャルディスタンス)を保ちながら、時折マスクを外して呼吸することも忘れないでください」(一ノ瀬さん)
まだまだマスクを手放せない日々が続きます。こうした注意点を守りながら、カラフルなマスクを楽しんでみてはいかがでしょう。
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参考資料など
国立環境研究所 社会システム領域「暑熱リスクと色彩選択」(http://www.nies.go.jp/social/navi/colum/topics_blackmask.html)