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週刊地震情報 2021.8.15 海外ではM7超の地震相次ぐ ハイチの地震では多数の死者も

2021/08/15 11:30 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された地震回数は前週に比べると少ない水準です。関東から東北の太平洋側や中部の内陸で発生が目立ち、西日本ではあまり起きていません。震度3以上の地震は1回発生しています。

一方で世界的にはマグニチュード7を上回る地震が頻発し、中米ハイチでは大きな被害に見舞われました。(8月9日~15日10時の集計)

国内:石川県能登地方で震度3の地震

石川県能登半島の地震
14日(土)22時38分頃、石川県能登地方を震源とするマグニチュード4.1、深さ約10kmと推定される地震が発生しました。この地震で石川県珠洲市で震度3の揺れを観測しています。この地震を含んで能登地方では11日(水)に1回、13日(金)3回、14日(土)に1回の有感地震が発生しました。

石川県能登地方では7月に地震活動が活発になり、7月11日に最大震度4を観測しました。8月に入ってからもマグニチュード3前後の地震は頻発している状況です。震源は4月後半以降に目立つ、日本海側の地震が多くなっています。

現時点で活動が大きく変化する兆しは見られないものの、能登半島の北東端では1729年にはマグニチュード6以上の地震が起きたとされています。引き続き今後の活動の動向に注意が必要です。
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世界:南大西洋でM8.1の巨大地震

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は8回発生しています。サウスサンドウィッチ諸島でマグニチュード8.1を筆頭に、フィリピン近海や中米ハイチなどマグニチュード7を超える地震が相次ぎました。

日本時間の13日(金)未明に南大西洋のサウスサンドウィッチ諸島近海でマグニチュード8.1、深さ約48kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは北西ー南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。

サウスサンドウィッチ諸島周辺は、南極プレートとスコシアプレート、南アメリカプレートが接する辺りで、しばしば大きな地震が起きています。ただ、今回のようにマグニチュード8クラスの地震の記録は、1929年のマグニチュード8.1まで遡り、この領域としては比較的大きな地震です。

この地震のわずか3分前にはマグニチュード7.5の地震が起きており、周辺では全体として大きな変動があったと見られます。余震活動も活発で、マグニチュード5~6クラスの地震が発生から1日以上経った日本時間の14日(土)午後になっても頻発している状況です。

ハイチでM7.2の地震 強い揺れで多数の死者も

ハイチの地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
日本時間の14日(土)夜に中米ハイチの西部でマグニチュード7.2、深さ約10kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは北東ー南西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、若干の横ずれ成分を持つと解析されています。

震源が陸域で浅かったことから、震央近くでは改正メルカリ震度階級のIXの激しい揺れがあったと見られます(単純比較は出来ないものの、日本の震度階級で5強から6弱に相当)。激しい揺れによって建物が倒壊するなどして、多数の死者が出ています。

ハイチはカリブプレートと北米プレートの境界に位置しており、しばしば強い地震に見舞われています。最近では2010年1月に今回の震源の少し東側でマグニチュード7.0の地震が起きました。いわゆる「ハイチ地震」と呼ばれているもので、震源が首都であるポルトープランスなど人口密集地に近かったため、死者数十万人という世界の地震の中でも最悪クラスの人的被害を及ぼしています。

11年前に比べると今回の地震は人口密集地から離れているものの、被害の拡大が懸念されます。
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参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。