facebook line twitter mail

週刊地震情報 2021.8.8 茨城県沖で3〜4日にかけて14回の有感地震が発生

2021/08/08 11:09 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された地震回数は前週に比べると若干少ない水準です。

茨城県沖で有感地震が10回を超えるなど、大半の地震が茨城県沖〜福島県沖に集中しました。震度3以上の地震は4回発生しています。(8月2日~8日10時の集計)

国内:茨城県沖で地震多発 最大規模がM6.0

茨城県沖の地震
4日(水)5時33分頃、茨城県沖を震源とするマグニチュード6.0、深さ18kmと推定される地震が発生しました。この地震で茨城県水戸市、笠間市、栃木県高根沢町、福島県福島市、郡山市、宮城県丸森町などで震度3を観測しました。地震のメカニズムは北西ー南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。

この地震に前後して、茨城県沖では地震が頻発し、3日(火)〜4日(水)にかけての2日間で14回の有感地震がありました。無感の地震を含めた震源の分布は、深さ10km未満と20km前後に分かれており、2ヶ所で地震が多発したと考えられます。

元々地震が多い領域ではありますが、これだけ集中することは多くはなく、今回同様にマグニチュード4以上の地震が数日の間に10回以上発生したケースは2008年5月まで遡ります。この時は震源が50km前後と少し深かったものの、最も強い地震はマグニチュード7.0で、最大震度5弱の強い揺れを引き起こしました。

5日(木)以降は有感地震の活動はなく、落ち着いた状況が続いています。ただ、前述の2008年の地震などマグニチュード7クラスの地震が何度も起きている領域ですので、引き続き注意は必要です。

国内:広島県北部で震度4の地震

広島県北部の地震
2日(月)9時37分頃、広島県北部を震源とするマグニチュード4.4、深さ6kmと推定される地震が発生しました。(速報では島根県東部を震源としていましたが、その後の解析で修正)この地震で広島県庄原市で最大震度4を観測しています。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。

広島県北部では今回の震源の南西側の領域で時々大きな地震が発生しており、2011年にはマグニチュード5.4で最大震度5弱、少し遡って1930年にはマグニチュード6.1の地震の記録が残っています。

島根県との県境に近い今回の震源付近に知られている活断層はないものの、過去の大きな地震が起きている三次市周辺には活断層の存在が考えられてます。

広島県の被害地震は内陸よりも沿岸部で発生するものが大半です。内陸部での直下型地震も心配ではありますが、安芸灘などで起きる地震に注意しておく必要があります。

世界:アンダマン海でM6.1の地震

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は1回発生しています。最も大きなものはアンダマン海で発生したマグニチュード6.1の地震です。

日本時間の3日(火)昼頃にインドシナ半島の西に広がるアンダマン海でマグニチュード6.1、深さ約10kmと推定される地震が発生しました。震源の浅い海域の地震でしたが、地震の規模がそれほど大きくなかったことや、メカニズムが横ずれ型と見られることから、津波の発生はありませんでした。

アンダマン海はユーラシアプレートの南西端(スンダプレートと分類する場合もある)に位置しており、西側はインドプレートと接しています。今回のように海域で起きる地震はそれほど多くないものの、最近では2015年に少し南側の領域でマグニチュード6.5の地震が発生しました。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。