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なぜ、唐辛子の辛み成分が夏バテに効くのか? 効果的に摂取する方法は

2021/08/11 06:05 ウェザーニュース

まだまだ暑い日が続きます。暑い日には辛いもので汗をかいてクールダウン!と思う方も少なくありません。そんなときに真っ先に思い浮かぶのが唐辛子。今が旬の唐辛子には、すぐれた栄養効果があるそうです。詳しい話を野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに伺いました。

栄養価にすぐれる旬の生唐辛子

唐辛子というと、赤くて乾燥している『鷹の爪』が一般的ですが、今の時季は生の唐辛子が収穫期を迎えています。

「生唐辛子は色が鮮やかでみずみずしく、生ならではの風味があります。栄養面でも、同じ仲間のししとうやピーマンと比べても、カリウムやマグネシウムなどのミネラル類、βカロテン、ビタミンCなどが非常に多く含まれています」(吉田さん)

辛み成分に健康効果が

唐辛子は栄養面でもすぐれていますが、そうたくさん食べられるものではありません。

「少し食べただけでも健康効果が高いといわれている栄養成分もあります。辛み成分のカプサイシンです。

唐辛子に含まれるカプサイシンは、吸収されて血液中に入るとアドレナリンの分泌を促進する働きがあります。このアドレナリンが脂肪代謝などのエネルギー代謝や発汗を促し、新陳代謝を高めて血流をよくすると言われています。他にも食欲増進や消化促進などの作用が期待でき、辛みの刺激は薄味料理の物足りなさを補うことができるので、減塩したい方にもおすすめです。

カプサイシンは脂溶性なので、炒め物や揚げ物に使うとより無駄なく摂り入れることができます」(吉田さん)

一番辛いのは種ではない

唐辛子は摂りたいけれど、辛みがあまり得意でない場合はどうすればよいでしょうか。

「唐辛子で一番辛い、つまりもっともカプサイシンが多いのは『種』と思われることが多いようですが、一番辛いのはその種がついている白いワタのような部分『胎座(たいざ)』です。種や果実全体が辛いのは胎座で作られたカプサイシンが付着してしまうからです。

生の青唐辛子なら、まだカプサイシンが全体に付着しきれていないので、縦に二つ割にしてから胎座と種をきれいに取ってしまえば、辛みは抑えられます。それでもカプサイシンは残りますし、生唐辛子ならではの青々しい香りと風味は味わえるので、細かくきざんで薬味にするのもおすすめです。そばや冷奴、漬物などにかけると、ピリッとした風味が料理を一層おいしくしてくれます」(吉田さん)

まだまだ続く酷暑との戦い。辛いものを食べて代謝をよくし、夏バテを防ぎましょう。

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