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スイカに塩をかけるとなぜ甘くなる? かけるのに最適な塩は?

2021/08/06 06:00 ウェザーニュース

酷暑がニュースになる時季になりました。熱中症にも気をつけなければなりませんが、適度な塩分とたくさんの水分を摂るのはなかなか難しいもの。そんなとき今が旬のスイカと塩の組み合わせが効果的だというのです。

ウェザーニュースが行ったアンケート調査では、スイカに塩をかける割合は4割足らずとなり、かけない派が優勢でした。
なぜ、スイカと塩の組み合わせが良いのか、詳しい話を野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに伺いました。

スイカの栄養効果は?

スイカの90%以上は水分です。栄養もそれほどないと思われがちですが、実は優れた栄養効果があるといいます。

「スイカには血流を改善するシトルリンというアミノ酸が含まれています。シトルリンは、血液の循環が悪くなることによる『むくみ』を改善する効果があります。また、肌の健康を保ち、新陳代謝を促すビタミンA、活性酸素を除去する効果が期待できるリコピン、シミのもとのメラニン色素の形成を抑えるビタミンCなども含まれていて、特に女性にはうれしい栄養成分が豊富です」(吉田さん)

塩をかけると「対比効果」を生む

スイカに塩をかけると甘くなるといいます。

「調理における塩が味に果たす役割には、『対比効果』『抑制効果』があるといわれています。このうち、『対比効果』とは、適度な塩辛さには食べものの甘さを引き出す効果があることを言います。反対の味同士を組み合わせると片方の味がもう片方の味をぐっと引き立たせるのです。お汁粉やあんこをつくるときに少し塩を入れるのもそのためです。

スイカも同様で、スイカに塩を少し振ると甘さが強く感じられるようになります」(吉田さん)

塩はサラサラ系が正解?

塩は工夫した方が良いといいます。

「最近人気が高い、粗塩や天日塩といった、にがりなどのミネラル分を多く含んだしっとりした塩ではなく、甘さを引き立てるためには、実はナトリウム純度の高い塩が適しているといわれています。食卓塩や精製塩がそれにあたります。

また、しっとりした塩だと一度に固まりでかかってしまうことがあり、味にバラつきが出てしまいます。食卓塩や精製塩ならサラサラで細かいので、少量をまんべんなくかけることができます。量はほんの少量、食卓塩の瓶で一振り程度です。かけてから少し置いておくと、塩がなじんで食べた時の甘さが引き立ちます」(吉田さん)

スイカに塩をかけて食べるとおいしいだけでなく、すぐれた熱中症予防対策食品になるというのはありがたいことです。まだまだ酷暑は続きますが、よく冷えたスイカでおいしく水分・塩分補給をしましょう。
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