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北海道の7月は記録的高温 2階建て高気圧が大きな要因に

2021/07/31 11:50 ウェザーニュース

7月の北海道は記録的な猛暑になりました。数多くの観測史上1位の記録が更新され、1か月の平均気温も札幌市や旭川市など各地で過去最高になる見通しです。

本州にしばしば猛暑をもたらすパターンが北海道にやってきたことが大きな要因と見られます。

旭川市で猛暑日を6日観測

北海道は内陸部を中心に7月中旬から暑さが厳しくなりました。旭川市では13日(火)に30.8℃を観測。そこから30℃以上の真夏日は途切れず、昨日30日(金)の時点で18日連続と、100年以上前の1916年の17日連続を更新しました。

また、35℃以上の猛暑日は6日を数え、28日(水)には観測史上1位の36.7℃を記録しています。旭川市で観測が始まった1888年以来、去年までの133年間で猛暑日が7日しかなく、今年が際立って多いことがわかります。

7月下旬だけで見ると、最高気温の平均が35.0℃。今年に関しては日本有数の暑さで知られる埼玉県熊谷市(34.1℃)を上回り、大分県日田市(35.4℃)に匹敵する暑さです。

札幌などは7月の平均気温が過去最高

7月の平均気温平年差
7月平均気温の平年差を見ると、北海道のほぼ全域が平年よりも2℃以上高い、赤い表示になっています。30日時点では旭川市が平年より3.7℃、稚内市が3.8℃も高く、札幌市も2.7℃高い気温です。いずれも7月の平均気温としては観測史上1位を更新することがほぼ確実です。

東北北部や北陸なども平年より高い一方で、関東から西の太平洋側は平年に近い気温の所が多く、今年の7月は北へ行くほど暑くなっていることがわかります。

2階建ての高気圧が北海道を覆う

7月25日(日)の気圧配置
北海道でここまで記録的に暑さになったのは、2つの要因が重なったためです。

ひとつは沖縄に近づいた台風6号の影響で対流活動が活発になり、その北東側で太平洋高気圧の勢力が強まったこと。もうひとつは上空を流れる強い風、ジェット気流の蛇行によって、チベット高気圧が強まったことです。

上空5500m付近まで覆う太平洋高気圧と、さらに高い所を覆うチベット高気圧が勢力を強めたことで、高温になったと考えられます。

太平洋高気圧とチベット高気圧の2階建て高気圧による猛暑は本州ではしばしば見られるものの、北海道ではあまりありません。7月に入ってからは本州の南海上に「モンスーントラフ」と呼ばれる低圧部が形成され、高気圧の勢力が全体的に北へ偏りました。

8月に入ってもしばらくは高気圧が北日本方面に張り出しやすい傾向が続く見込みです。北海道では慣れない暑さが続きますので、熱中症対策をしっかりと行い、体調を崩さないように注意をしてください。
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