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洗濯物も日焼けする? 色あせしやすい素材とは

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2021/08/01 08:58 ウェザーニュース

全国各地で猛暑日が続いていますが、「晴れた日は絶好の洗濯日和」と、まぶしい太陽をいっぱい浴びる外干しにいそしむ人も多いと思います。しかし、真夏の強い日差しは人体同様に洗濯物にも“日焼け”を招き、色あせの大きな原因ともなっているというのです。

この時季に洗濯物が色あせしやすい素材や、干し方の注意点などについて、NPO法人クリーニング・カスタマーズサポート(福島県須賀川市)の鈴木和幸代表に伺いました。

紫外線が色あせの原因?

衣類の外干しがなぜ色あせの原因になるのでしょうか。

「干すときに当たる日光に含まれる紫外線が、大きな原因のひとつです。紫外線が衣服に当たると化学反応によって素材に含まれる色素が分解されてしまうため、日焼けが生じて色あせしやすくなるのです。

『日光を当てると殺菌効果が生じる』という思いから、直射日光の下で干す方も多いと思いますが、とくに夏場は紫外線が強いため注意が必要です。日光が当たった部分だけ色あせや変色が生じることがあります」(鈴木代表)

素材や色によって色あせの度合いは異なるのでしょうか。

「白地のものはあまり心配いりませんが、一般に濃い色は色が抜けやすく、とくに赤色や青色の衣類は色あせしやすいとされています。

色あせや劣化が起こりやすい素材は、麻や綿、シルク(絹)です。とくに動物性たんぱく質が含まれるウール(羊毛)は劣化しやすく、ナイロンなどの化学繊維では日焼けが黄ばみの原因にもなります」(鈴木代表)

洗濯物の日焼けを防ぐには?

日焼けによる色あせを防ぐにはどうすればいいのでしょうか。

「いちばんに気をつけるのは、洗濯物を直射日光に当てないことです。乾きやすさや殺菌効果を期待して外干しをしたいというときには、裏返して干すのが効果的です。裏返しなら表面の色あせに加えて、生乾きによるいやな臭いの予防にもなります。また、洗濯機に衣類を入れる時点から裏返しておけば、表面の摩擦による色落ちの予防に効果があります。

『衣類をいちいち裏返すのは面倒』という方には、日陰干しがお勧めです。直射日光が当たらず、風がよく通る場所を選んで干しましょう。メッシュ素材の洗濯物保護カバーやランドリーテントといった“色あせ予防グッズ”も市販されていますので、活用してみてください。

ベランダなどでどうしても直射日光を避けられない場合には、簡便な日よけを付けるのも効果的です。ただし、時間帯によって日差しの向きは変化するので、まだらに日光が当たることのないように注意してください。夜の間に洗濯して干すことも考慮に入れていいでしょう。

部屋干しで臭いが発生するのは生乾きの状態が長いからです。窓を大きく開けて風通しをよくしたり、洗濯物の直下に扇風機やサーキュレーターなどを置いたりして、なるべく速く乾かすようにすれば、臭いは抑えられます」(鈴木代表)

アルカリ性に注意

干す前に気をつける点もありますか。

「アルカリ性・弱アルカリ性の洗剤は注意が必要です。『蛍光増白剤』という漂白剤が含まれている場合があり、中性洗剤に比べて洗浄力は高いのですが、繊維内に残ってしまうと紫外線と化学反応を起こして黄ばみの原因になるからです。塩か酢を少し加えて中和するか、ひどい汚れ以外は中性洗剤で十分落ちますので、色あせ予防を重視するならできる限り使用を控えてください。

また、一度に大量の衣類を洗濯しないことも心がけましょう。最大でも洗濯機の『容量』の8割程度にとどめてください」(鈴木代表)

真夏の強い日差しによる紫外線は、洗濯物にも悪影響を与えます。お気に入りの衣類の日焼けによる色落ちは避けたいものです。さっそく実行してみましょう。

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