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熱中症が疑われるとき、すぐにとるべき行動とは?

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2021/07/28 10:51 ウェザーニュース

これからさらに暑さが厳しくなると、熱中症が急激に増えてきます。政府は昨年まで7月を「熱中症予防強化月間」と定めていましたが、今年から4~9月を「熱中症予防強化キャンペーン」と改め、より一層啓発に力を入れることになりました。

「熱中症による死亡者数年1,000人以下を目指すなど、顕著な減少傾向に転じさせる」をキャンペーンの中期的目標に掲げたことからも、熱中症の怖さがわかります。

そこで夏本番の熱中症対策について、横浜鶴見リハビリテーション病院(横浜市鶴見区)の吉田勝明院長に伺いました。

こんな症状は要注意

「熱中症は、暑熱障害による症状の総称です。暑熱環境にさらされた状況下での体調不良は、すべて熱中症と考えなければなりません」(吉田院長)

そのうえで吉田院長は、日本救急医学会が2000年以降採用している重症度Ⅰ度~Ⅲ度の分類を頭に入れておくようにとアドバイスします。

▼重症度Ⅰ度:現場での応急処置で対応できる軽症
▼重症度Ⅱ度:病院への搬送を必要とする中等症
▼重症度Ⅲ度:入院して集中治療の必要性のある重症

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熱中症が疑われるときにとるべき行動

では、自分や周囲の人が熱中症を疑われる場合、どんな行動をとればいいのでしょうか。

「まず意識があるかどうかを確認し、意識がなければすぐに救急車を要請してください。意識があれば、急いで涼しい場所へ移動させます。

次に行うべきことは、脱衣と冷却です。衣服をゆるめて、熱を体から放散させてください。露出した皮膚に濡らしたハンカチを当て、うちわで風を送るといいでしょう。自動販売機で冷たいペットボトルを買い、首の両側、脇の下、太ももの付け根に当てて冷やすのも効果的です。救急車を呼んでも、到着するまではこのような方法で、体温の冷却に努める必要があります」(吉田院長)

その後、行うのは水分と塩分の補給になります。

「大量に汗をかいていたら、汗で失われた塩分の補給も必要になるので、水より経口補水液かスポーツドリンクが適しています。意識が不明瞭で自分で飲めない場合は、無理に飲まそうとせず、医療機関に運んで点滴を打ってもらいます」(吉田院長)

応急処置をまとめると

こうした初動の対応は、熱中症にかかった人の命を救えるかどうかを左右します。『熱中症環境保健マニュアル2018』(環境省)をもとに、応急処置をまとめるとこうなります。

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この中で緊急を要するのは、呼びかけても意識がない場合です。近くの人に協力を求めて最低2人でチームを組み、1人はAED(自動体外式除細動器)を探しに走り、もう1人は救急車を要請しながら本人に付き添ってください。

普段通りの呼吸がなかった場合、救急車が到着するまで心肺蘇生(心臓マッサージ)を行わなければなりません。

毎年多くの人が熱中症で亡くなっています。十分な水分補給と暑さ対策で自分の身を守る一方、万一熱中症が疑われる人に出会ったら、適切な行動がとれるようにしたいものです。

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