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ドイツなど大雨による被害拡大 大きな要因は寒冷渦

2021/07/17 12:21 ウェザーニュース

ドイツやベルギーを中心とした西ヨーロッパの各地で大雨に見舞われ、洪水による被害が拡大しています。記録的な雨をもたらした大きな要因は寒冷渦と見られます。

1日で7月1か月の1.5倍の雨が降る

雨が最も強まった14日(水)、寒冷渦はイタリア北部をゆっくりと東に移動しました。中心付近は上空5500m付近で-18℃とこの時期としては非常に強い寒気です。今週、日本各地にゲリラ豪雨をもたらした寒冷渦は上空5500mで-9℃前後でしたので、かなり強い寒気であることがわかります。

寒冷渦の周囲を回るような形で湿った空気が流れ込み、特にドイツ西部で雨量が多くなりました。デュッセルドルフから東に60kmほど離れたリューデンシャイトの観測点では14日(水)だけで143mmの雨を観測しました。7月1か月の平年の雨量が97mmですので、1日だけでその1.5倍の大量の雨が降ったことになります。

広範囲で短い時間に大量の雨が降ったことで川が急激に増水し、大きな洪水被害につながったと見られます。

なお、寒冷渦はすでに弱まりながら南に離れており、強い雨のエリアも南に移ってきました。ドイツやベルギー周辺でさらに雨量が増える心配は少なく、今後はオーストリアやクロアチアなどで強雨となる見込みです。
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