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夏は昼に虹が見えない そのカギは太陽高度

2021/07/16 05:04 ウェザーニュース

雨の降る前後に見られる七色のアーチ、「虹」が見られることがあります。

虹は朝や夕方は見かけやすいイメージですが、夏ごろは昼間に出現しにくいことをご存知でしょうか。

太陽高度がポイント

太陽と虹が見える位置関係
虹は必ず太陽の反対側の決まった位置に出現します。私達が太陽を背にして立った時、太陽の光が差してくる方向(対日点)から常に42度の角度を保って現れます。

そのため、太陽が低いところにある時の方が虹は見えやすく、一般的に太陽と地面の角度(=太陽高度)が50度以下だと見えやすいと言われています。
>>〔合わせて読みたい記事〕虹が出るメカニズム

夏の昼頃は太陽が高過ぎて虹が見えない

正午の太陽高度(東京)
太陽の角度は季節や時刻によって変わります。一日の中で太陽高度が最も高くなる時間は正午です。さらに季節ごとに見てみると、夏至の頃が最も太陽高度が高くなり、冬至の頃が最も低くなります。

例えば東京の場合、夏至(6/22頃)は、8時半頃には太陽高度が50度を超え、15時を過ぎると再び50度を下回ります。春分(3/23頃)や秋分(9/21頃)は、11時~13時以外は50度以下です。そして、冬至(12/22頃)では太陽高度が一日中40度以下になります。

つまり、夏至に近い6月頃の12時前後の時間帯は太陽高度が80度近くまで上がり、自然な状態では絶対に虹が見えないと言えます。5月~7月も、夏至に比べると太陽高度は低いものの、昼間に虹が出現するまでの太陽高度にはならず、昼間に虹を見るには条件的にあまり良くありません。

夏によく見られるイメージがある虹ですが、じつは昼間は虹が見えにくい条件となっていました。夏に虹を見たい方は、朝や夕方の雨雲が近くにある時に狙うのがよさそうですね。
>>雨雲レーダーをアプリで見る

参考資料など

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)hamiさん