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ゲリラ豪雨の総発生数は昨年より多く1.2倍
ピークは8月中旬~下旬

ウェザーニューズ発表 ゲリラ豪雨傾向2021
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2021/07/12 14:09 ウェザーニュース

突発的に激しい雨や雷雨が発生する「ゲリラ豪雨」のシーズンを迎えました。事前対策への意識を高め、被害軽減につなげるため、ウェザーニュースでは、今シーズン(2021年7月〜9月)の発生傾向を発表しました。

全国の総発生数は昨年より多く1.2倍

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今年の発生回数(昨年との比較)
2021年7~9月のゲリラ豪雨は、全国でおよそ75,000回発生する予想です(※注1)。昨年はおよそ62,000回発生しており、今年の発生回数は昨年の1.2倍と、昨年より多く発生する見込みです。

日本海側を中心に発生回数が多くなる予想見込みで、特に発生回数が多いのは、北海道(10,400回)、秋田県(2,500回)、石川県(1,600回)となっています。発生回数が昨年の2倍以上となるところもある予想です。

その他、大都市圏では、東京で1,200回、愛知で1,000回、大阪で400回となる見込みで、いずれも昨年と同程度の発生回数になるとみています。

雨雲の発生は山沿いで発生することが多い予想ですが、平野部(都市部)にも流れ込んだり、都市部の直上で発生したりする場合があります。一回のゲリラ豪雨で、激しい雨による道路冠水や浸水、落雷による停電や交通機関が停止するなど様々な被害が懸念されます。随時最新の雨情報をご確認ください。

発生ピークは8月中旬〜下旬の予想

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7月後半〜9月のゲリラ豪雨発生傾向
ゲリラ豪雨は、太平洋高気圧が弱まって湿った空気が流れ込む時や、上空の寒気が通過し大気の状態が不安定になる時に発生しやすい現象です。

今シーズンのゲリラ豪雨の発生ピークは、8月中旬〜下旬となる見込みです。時期別の気象条件をみていくと、7月中旬から9月はじめにかけて、日本付近は高気圧に覆われて晴れる日が多くなる予想です。ただ、本州の日本海側を中心に、高気圧の周囲をまわる湿った空気の影響を受けて、ゲリラ豪雨が発生しやすくなります。

9月上旬からは秋雨前線や台風の影響を受けて、ゲリラ豪雨の発生は減少していく見込みです。9月中旬からは移動性高気圧や低気圧・前線が日本列島付近を通過しやすくなり、ゲリラ豪雨は終息に向かいます。

高気圧の縁にあたる日本海側で発生しやすい傾向

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2021年ゲリラ豪雨発生パターン
今シーズンは、太平洋高気圧の中心が日本の東に位置するため、高気圧の周囲をまわる暖かく湿った空気が、本州の日本海側に入りやすい状況となります。

そのため、ゲリラ豪雨は昨年に比べ、西日本や東日本の日本海側と北日本で多くなる傾向です。
>>日々のゲリラ豪雨の予想をアプリで見る

※注1  “ゲリラ豪雨”発生回数の求め方
「ゲリラ豪雨」をもたらす雨雲・雷雲は、予測可能な前線による雨雲とは異なり、“突発的”かつ“局地的”に発達するのが特徴です。また、限られた数しか設置されていないアメダス(全国約1,300か所)では、全ての降雨を正確に観測することは困難です。そこで当社では、スマホアプリ「ウェザーニュース」のユーザーから寄せられた“ザーザー”以上の降雨報告(※注2)と、その時の気象データの分析結果から、ユーザーがゲリラ豪雨と感じる雨の時間変化の基準値(表1)を求め、求めた基準値をもとにゲリラ豪雨をカウントしています。

(表1)ゲリラ豪雨判定基準値
<時間(〇分前)>  <しきい値>
120 ~ 50分前    0mm/h以上
40 ~ 30分前    1mm/h以上
  20分前       3mm/h以上
  10分前      14mm/h以上
  0分前       11mm/h以上

※注2 降雨報告について
スマホアプリ「ウェザーニュース」を通し、“ポツポツ”、“パラパラ”、“サー”、“ザーザー”、“ゴォーー”の5段階で報告されます。

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