facebook line twitter mail

週刊地震情報 2021.7.11 8日(木)未明に伊予灘で震度3 強い地震が想定される領域

2021/07/11 10:33 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された地震回数は前週とほぼ同じ水準です。北海道から関東の太平洋側は地震の多い状況が継続、瀬戸内海で2回の地震が起きています。震度3以上の地震は2回発生しました。(7月5日~11日10時の集計)

国内:伊予灘でM4.3 今年2回目の震度3

伊予灘の地震
8日(木)1時24分頃、伊予灘を震源とするマグニチュード4.3、深さ50kmと推定される地震が発生しました。この地震で愛媛県宇和島市と久万高原町、山口県柳井市や周防大島町などで最大震度3、瀬戸内海沿岸を中心とする広い範囲で震度1~2の揺れを観測しました。

地震のメカニズムは北西ー南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。伊予灘を震源とする震度3以上の地震は2月23日以来で今年2回目の発生です。

この付近はフィリピン海プレートが沈み込む影響で、地震の発生が多く、最近では2014年3月にマグニチュード6.2、最大震度5強の地震が起きました。

政府の地震調査研究推進本部では、安芸灘~伊予灘~豊後水道を震源とするマグニチュード6.7~7.4の地震が、今度30年以内に40%程度の確率で発生するとしています。今回の震源よりは東側の安芸灘で発生し、マグニチュード6.7、最大震度6弱を観測した「平成13年(2001年)芸予地震」と同様の地震が想定されます。

国内:石川県能登半島で震度4

石川県能登半島の地震
11日(日)9時16分頃、石川県能登地方を震源とするマグニチュード4.0、深さ約10kmと推定される地震が発生しました。この地震で石川県珠洲市で最大震度4を観測しています。

今回の震源のすぐ近くでは6月26日にもマグニチュード4.1、深さ14kmのほぼ同規模の地震が発生していました。地震のメカニズムはいずれも逆断層型と解析されています。

能登半島の北部には沿岸部にいくつかの断層があると考えられています。能登半島の北東端では近年は大きな地震が起きていないものの、1729年にはマグニチュード6以上の地震が起きたとされています。また、沖合でもマグニチュード6.9の「平成19年(2007年)能登半島地震」に代表されるような、大きな地震が起きており、油断ならない地域です。

世界:アメリカ・カリフォルニア州でM6.0

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は2回発生しています。最も大きなものはインドネシア近海で発生したマグニチュード6.1の地震です。

もうひとつは日本時間の9日(金)7時49分頃、アメリカ・カリフォルニア州で発生したマグニチュード6.0の地震です。震源の深さが約8kmと浅く、メカニズムは東西方向に張力軸をもつ正断層型と解析されています。震央の近くでは強い揺れになったものの、ヨセミテ国立公園の少し北の人家の少ないエリアだったため、大きな被害は報告されていません。

アメリカ地質調査書によると、シエラネバダ山脈に沿って走るアンテロープ・バレー断層の近くで発生したと見られます。このエリアで大きな地震はそれほど多くはなく、前回マグニチュード6以上の地震が発生したのは1994年まで遡ります。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。