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7月7日は「クールアース・デー」 今世紀末に東京は屋久島並みに暑くなる?

2021/07/07 10:11 ウェザーニュース

今日7月7日は七夕ですね。それと同時に「クールアース・デー」でもあります。

2008年7月7日にG8サミット(北海道洞爺湖サミット)が開催されました。七夕の日であることから、毎年、7月7日を「クールアース・デー」と定めたのです。

環境省のサイトには、以下のことが書かれています。

これは(注/クールアース・デーのこと)、天の川を見ながら、家庭や職場において、地球環境の大切さを日本国民全体で再確認し、低炭素社会への歩みを実感するとともに、それぞれができる地球温暖化対策の取組を推進するための日として設けられたものであり、その具体的な行動として、「COOL CHOICE」(脱炭素社会づくりに貢献する製品への買換え、サービスの利用、ライフスタイルの選択など、地球温暖化対策に資する賢い選択)を提案しています。

クールアース・デーにちなんで、地球温暖化の現状などを見てみましょう。

カナダでは、50℃近い気温に!

近年、非常に高い気温が世界各地で観測されています。

2003年には、記録的な熱波がヨーロッパを襲い、大勢の人が亡くなりました。

最近では、2021年6月下旬に、カナダ西部とアメリカ北西部が記録的な熱波に襲われ、多くの人が亡くなっています。カナダでは、この熱波で国内の史上最高気温を更新する49.6℃が観測されています。

日本でも、熱中症などによる死者が増えています。年ごとの気象による違いはありますが、直近3年では熱中症による死亡者数が毎年1000人を超えるなど、20年前から見ても、明らかに増加傾向にあることがわかります。
気温の上昇と乾燥化によって、シベリアや北欧などを含む世界各地では、大規模な森林火災も発生しています。

森林は酸素を供給し、二酸化炭素を吸収しています。森林火災などによって、森林が減少すると、大気中の二酸化炭素が増え、温室効果ガスが地球を覆っていきます。その結果、地上の熱が宇宙に放たれにくくなり、地球の気温は上がっていきます。

もちろん、森林には多くの生物が生息しているため、森林火災によって、彼らの命やすみかが奪われています。

森林火災が自然環境や生態系などに与える影響は、実に深刻です。

東京は屋久島と同じ気温に?

日本の夏も、猛烈に暑い日が多くなりました。このことは、多くの人が実感していることでしょう。

実感レベルだけでなく、データを見ても、日本の平均気温が上がっていることがわかります。

1931~2020年の最高気温を見ると、35℃以上の猛暑日の日数が増加傾向にあり、全体的に暑い日が増えていることがはっきりわかります。

現在のように温室効果ガスを排出し続ければ、年平均気温は、全国平均で4.5℃上昇するとされています。つまり、東京の場合、今世紀末には現在の屋久島に近い値になると予想されているのです。

また、同じく1931~2020年において、最低気温が0℃未満の冬日の日数は減少していて、最低気温が25℃以上の熱帯夜の日数は増加しています。

この90年、猛暑日と熱帯夜は増え続け、冬日は減っているのです。

暑さだけではありません。2018年には「平成30年7月豪雨(西日本豪雨)」が発生し、広島県や岡山県、愛媛県などで甚大な被害が発生しました。世界気象機関(WMO)では、この豪雨も、地球温暖化と関係していると指摘しています。

SDGsの多くは気候変動対策と関係

地球温暖化の問題は、国連が制定したSDGs(エスディージーズ/Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)とも関連しています。

SDGsの目標(ゴール)の13は「気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を実施する~気候変動に具体的な対策を」となっています。

SDGsは貧困、健康、教育、エネルギー、技術革新、平和など、17の項目について、目標が設けられていますが、SDGsの8割くらいは気候変動対策に関係しているという見方もあります。農業対策、廃棄物の削減、再生可能エネルギーの利用拡大など、さまざまな事柄に気候変動対策が関連しているからです。

「COOL CHOICE」でいこう!

すでに紹介したように、環境省では「COOL CHOICE(クールチョイス)」を提案しています。

「暑い日は軽装にする(クールビズなど)」「できるだけ徒歩、自転車、公共交通機関で外出する」「エレベーターの利用を控え、階段を使う」など、日頃からできることもあります。

地道なことですが、一人一人のこれらの行動が気候変動対策(地球温暖化対策)につながるといえるでしょう。

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参考資料など

環境省「7月7日のクールアース・デーは、みんなが地球を想う日です。」(https://ondankataisaku.env.go.jp/coolearthday/
)、環境省「STOP THE 温暖化 2017」(http://www.env.go.jp/earth/ondanka/knowledge/Stop2017.pdf)、気象庁「地球温暖化予測情報 第9巻」(http://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/GWP/Vol9/pdf/all.pdf)、気象庁「気候変動監視レポート2020」(https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/monitor/2020/pdf/ccmr2020_all.pdf)『国谷裕子と考えるSDGsがわかる本』(監修/国谷裕子、文溪堂)、『国谷裕子とチャレンジ! 未来のためのSDGs③ 「地球」に関するゴール』(監修/国谷裕子、文溪堂)、『SDGs(持続可能な開発目標)』(著者/蟹江憲史、中央公論新社)