北海道の深発地震で異常震域
300km以上離れた青森で震度3
2021/06/20 20:44 ウェザーニュース
6月20日(日)20時08分頃、最大震度3を観測する地震がありました。震源地は北海道上川地方で、震源の深さは約160km、地震の規模はM5.4と推定されます。津波の心配はありません。
深発地震による「異常震域」と呼ばれる震度分布がみられ、震央近傍では震度1以上の揺れを観測していませんが、震央から300km以上も離れた青森県で震度3の揺れが観測されました。
深発地震による異常震域とは
深発地震による異常震域の模式図
今回の地震は非常に深い所で発生する「深発地震」と呼ばれるものです。
多くの地震では震央から同心円状に揺れの強い地域が分布しますが、今回の地震では地震波が伝わりやすい太平洋プレートに沿って遠方の地域に揺れが伝わる「異常震域」と呼ばれる震度分布となりました。
南海トラフ巨大地震とは別要因
日本列島周辺のプレート
今回の地震は、震源の深さが速報値で約390kmと、かなり深い地震でした。日本海溝/伊豆・小笠原海溝から西に向かって沈み込む太平洋プレートの周辺で発生した地震とみられます。防災科学技術研究所の速報解析では、東西方向に圧力軸を持つ逆断層型の地震とみられます。
一方、一般的な「南海トラフ巨大地震」はフィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込む境界付近で発生する地震で、想定される震源の深さは10kmから40km程度とされています。今回の地震の発生メカニズムは、南海トラフ巨大地震とは別要因と考えられます。
また、地震の規模からは、誘発地震の危険性などは小さいと考えられます。
震源から離れた地域で長い揺れを観測
ウェザーニュースが独自に設置している、生活環境の揺れを観測する「Yureステーション」のデータを見ると、東京都板橋区の鉄筋の建物9階では40秒前後の強めの横揺れがあった後、さらに1分以上微弱な揺れを捉えていました。
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