facebook line twitter mail

メロンは逆さにする!? 上手な追熟方法

2021/06/20 05:53 ウェザーニュース

大ぶりで香りのよいメロンが店頭に並ぶ時季になりました。メロンはサクランボや桃のように、見ただけで完熟しているかどうかがはっきりわかる果物ではありません。買ってきたメロンを切ってみたら、まだ固くてがっかり…ということのないように、上手なメロンの追熟と保存方法を、山形県のフルーツ農家、後藤広美さんに伺いました。

メロンの出荷は完熟約1週間前

「山形では主に『アンデスメロン』や『クインシーメロン』『鶴姫』『アールスメロン』などが栽培されています。露地栽培ものが出始める今の時季からが旬です。メロンは収穫後も追熟するので、出荷する際には輸送中や店頭に並ぶ頃に過熟しないよう、完熟の1週間前ぐらいに収穫しています。つまり、販売されているメロンは完熟前なので果肉が固くて甘みも少ない状態です。そこで上手に追熟させてよりおいしくすることが重要になります」(後藤さん)

追熟は上下左右を入れ替える

「メロンが丸ごと手に入ったら、そのままの状態で切らずに追熟させましょう。上手に追熟させるためには、まず温度が重要です。大体25℃前後が適しています。これからの時期はエアコンの風が当たらない場所で、風通しが良い日陰に3~5日程度置いてください。

置き方も大切です。ツルを上に向けてそのまま置きっぱなしにするのではなく、ときどき上下左右を入れ替えるようにしましょう。メロンはお尻の方から熟していく性質があり、熟すと出てくる濃厚な甘みのある果汁は重いので、下部に甘くて濃厚な果汁が集まるのです。

そこで、ときどき上下左右を入れ替えて、甘みのある果汁を果肉全体にまんべんなくまわしてやります。こうすると全体に甘みがまわっておいしくなるのです」(後藤さん)

では、完熟したかどうかは何をみればよいのでしょうか。

完熟ポイントは4つ

完熟を見分けるポイントは4つあるそうです。

「1つ目はツルが茶色くなって枯れてきている、2つ目はお尻の部分を押してみて柔らかくなっている、3つ目は全体が黄色みを帯びてきている、4つ目は甘い香りがしてきていることです。この4つのポイントから食べ頃をチェックしてください。

食べる3~4時間前に冷蔵庫に入れて冷やしてください。丸ごと入れるのがベストですが、どうしても冷蔵庫に入らない場合などは、カットした断面をラップでしっかり包んでから冷蔵庫に入れましょう」(後藤さん)

食べるときもよりおいしく感じられるポイントがあると言います。

「切るときには縦割りにし、食べるときはツルがついていた頭側から食べましょう。メロンはお尻の方にいくほど甘いので、お尻の方から食べてしまうと、頭の方の甘みを感じにくくなってしまうのです。

また、切ってしまうと傷みやすくなるので早く食べるのが一番ですが、どうしても食べきれない場合は冷凍して、シャーベットのようにすることもできます。これもおいしい食べ方です」(後藤さん)

追熟期間を短くしたい場合は、ポリ袋に丸ごと入れて密封し室温で置いておくとよいと言います。なお、メロンは切られた瞬間から追熟しなくなるので、カットメロンを買った場合は冷蔵庫で保存して、なるべく早めに食べるようにしましょう。

これからが最盛期を迎えるメロン。上手に追熟させて、おいしくいただきましょう。

» ウェザーニュース記事一覧

参考資料など

取材/後藤広美氏(https://ameblo.jp/hirogoto123/)