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桜の健康診断結果 健康状態は昨年からほぼ横ばい

約3,000本の桜を診断!桜健康診断2021

2021/06/29 15:19 ウェザーニュース

ウェザーニュースでは毎年、美しい姿で楽しませてくれる桜を見守り、桜を大切にする気持ちを広く育むことを目的として「桜の健康診断」を実施しています。
健康診断では6つの質問に答えて頂き、その結果の健康度を指数化し、「優良(+)」から「生育不良(-)」の12段階で判定しました。
◆「桜の健康診断」の概要
・エリア:46都道府県(沖縄除く)
・調査期間:2/16~5/26
・参加人数:2,997人
・質問項目:6つ(「日当たり」、「樹形」、「花の咲き方」、「幹の状態」、「樹皮の状態」、「花数」)

全国でみる桜の健康度

2013年から全国平均の桜の健康度を見ると、2021年の健康状態は過去最悪だった2020年からほぼ横ばいの状態です。

桜の健康度を12段階で評価

桜の健康度を細かく分類して昨年と比較してみると、「正常(+)」は昨年より8ポイントと大きく増加し、「正常」が9ポイント減りました。

都道府県における桜の健康度の平均値

※2020年と2021年について報告が一定数に満たないエリアは灰色で表示しています。
都道府県ごとの桜の健康指数の平均値でランクを12段階評価でみると、全体的にオレンジの「正常(+)」が多くなっています。2020年と比較すると特に「優良(ー)」から「正常(+)」に変わっているところが11地点もありました。

桜の健康度が低下すると?

健康度が低下しても、1~2年単位ではほとんど気づきません。ただ低下傾向が5年も続くと太枝が2、3本は枯れるリスクがあります。そうすると、春には花の咲き方が寂しい桜となってしまいます。

日本花の会 樹木医 和田博幸さんより

「全般的には健康度は前年と大きな変化がなかったように思います。
12段階評価や健康度の評価でワンランクの違いの増減は見られますが、あまり問題にならないと思われます。
2018年、19年と大きな台風が襲来し、桜はある程度その影響を受けて枝葉が損傷し、健康度が低下しました。昨年は台風の被害がほとんどなかったことで、桜自体は前々年や前年に折れた枝等の修復を行なったのが、昨年の夏だったと思われます。今年も台風シーズンに大きな台風がなく、夏の暑さも異常高温にさえならなければ、健康度は上向くことが予想されます。
マイ桜をもう一度観察していただき、葉がたくさん着いているようならば、期待は大きいでしょう。
このようなことを想像しながらこれからも観察を続けて欲しいと思います。」

桜の健康診断への想い

ソメイヨシノの寿命は60年と言われています。ソメイヨシノは戦後に多く植えられたため、当時植えられたものはすでに寿命を過ぎています。弱った桜・病気の桜が増えるのは自然のことです。
私たちには病気の治療や土のマッサージなど手当てを行うことで寿命を延ばすことができます。


来年も変わらぬ姿で咲く桜を皆さんと一緒に健康状態の変化を追いながら、桜を大切にする輪を広げていきたいと思います。