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ダニは何を食べている!?  ダニのエサを減らして増殖を抑えよう

2021/06/11 07:00 ウェザーニュース

梅雨時をはさんだ5月から7月にかけてはダニが繁殖のためにエサを多量に採取する時期にあたります。ダニは1ヵ月ほどで成虫になり、2~3ヵ月の寿命の間に50~100個以上の卵を産むため10週間ほどで、1匹から1万匹近くにも繁殖するといわれています。

家庭内に存在するダニのエサとなる物質はどんなものか、またエサをなくしてダニの増殖と被害を予防するためにはどうすればいいのかについて、対策のポイントを掃除や害虫対策のプロであるダスキンさんに教えていただきました。

フケや垢(あか)、髪の毛などを好む

ダニはどんな物質をエサにするのですか。

「ダニはいろいろな物質をエサにしますが、とくに好むのが、不飽和脂肪酸を含んだフケやあか、髪の毛などです。

不飽和脂肪酸はがんなどの成人病を予防する栄養素として注目されていますが、人間にとって元気の出る栄養素を採ることでダニも元気になり、卵を数多く産むようになるのです。

ダニのエサと対策のポイントをまとめましたので、特にダニが増えやすいこれからの時期は心がけてください」(ダスキン)

▼綿ボコリ
綿ボコリの中には、ホコリだけでなく、フケや垢、髪の毛なども混じっています。ソファーやベッドの隅に、湿気を含んだ綿ボコリが大量に積もっていたら、そこは格好のダニの住みかです。固く絞ったぞうきんで、ていねいに拭き取るようにして掃除しましょう。

▼髪の毛やフケ
健康な人の髪の毛のフケはダニにとって栄養満点です。それらが落ちるとカーペットにからみついて取りにくくなってしまいます。できるだけ髪の毛が散乱しないよう、髪をブラッシングする場所を決めて、もし落ちているのを見つけたら、粘着テープでこまめに取りましょう。

▼ペットの毛やエサ
人間と同様にペットの犬や猫などの毛にも注意が必要です。できれば、毛が多い犬や猫などは、湿気がたまりやすいカーペットがある部屋には入れないようにしたいですが、それが難しければ、やはり粘着テープで毎日丁寧に掃除することを心がけましょう。また、エサの食べこぼしなどにも気をつけましょう。

▼お菓子の食べこぼし
人間の好物はダニにも好物です。食べかすなどは、格好のエサになってしまいます。小さい子どもがいる家庭ではお菓子の食べこぼしも日常のこと。お菓子を食べるときは、シートを敷いたりトレイの上で食べるなどして、できるだけ下に落とさないよう注意しましょう。落ちたお菓子はこまめに取り除くようにしてください。

ダニが苦手な環境を作ることも大切

ダニが好むのは湿気と適度な温度です。

「湿度が55%以上になるとダニは活発になり、大量に発生します。そのため、晴れた日はこまめに換気するようにしてください。空気が動かないと湿度は上昇します。湿度を下げるためには、部屋の中に乾燥した風を送り込めばいいのです。湿度が55%以下になると、ほとんどのダニは生きていけません。

ただし、いくら部屋の換気をまめにしても、室内に洗濯物を干したりすれば、湿度は上昇してしまいます。梅雨時などにどうしても室内に干さなければならない場合は、カーペット敷きの部屋や和室を避けて、浴室やフローリングなどの湿気を吸収しにくい床材の部屋に干すよう心がけてください」(ダスキン)

新型コロナウイルスのまん延により自宅で過ごす時間が増え、ダニのエサである毛髪や食べ物の食べかすなどが家庭内のあちこちにたまりやすくなっています。湿気も多くなるこの時季、ソファーやカーペットのこまめな掃除と換気を心がけ、ダニのいない快適な生活環境を保ちましょう。
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