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コロナ禍の長梅雨が影響?梅雨の天気痛「雨ダルさん」対策

2021/05/26 14:40 ウェザーニュース

雨の日に調子が悪くなる「雨ダルさん」になっていませんか。ウェザーニューズ気象病顧問アドバイザーで愛知医科大学客員教授・中部大学教授の佐藤純先生に、梅雨を心地よく過ごせる天気痛対策を教えていただきます。

コロナ禍の長梅雨が心身に影響!?

今年は5月5日に沖縄と奄美で、11日に九州南部、15日に九州北部・四国・中国、16日に近畿・東海で梅雨入りが発表されました。四国と近畿では統計史上最も早い梅雨入りとなるなど、平年より大幅に早く梅雨入りする地域が多く、西日本を中心に梅雨の期間が長めになる見込みです。梅雨が長くなることで、佐藤先生は3つの問題点を指摘します。

「1つ目は、体の準備ができないまま梅雨になったこと。梅雨は、体に余分な水分が溜まりやすい時季です。例年なら、気候のよい5月に活動することで、汗をかく練習、体づくりをすることをアドバイスしています。しかし、今年は梅雨入りが早すぎて期間が足りません。

2つ目は、地域によっては2ヵ月近くになりそうな長梅雨の影響です。雨や曇りが続き、日光を浴びる時間が大幅に短くなります。コロナ禍でこもりがちな中、さらに外出の機会が減り、メンタル面へも悪影響を及ぼします。天気痛に悩む『雨ダルさん』が増えてしまいそうです」

天気痛は、天気の影響で自律神経が乱れ、頭痛やめまい、耳鳴りなどの不調が起こるものです。天気痛のある「雨ダルさん」は全国に1000万人いるとされますが、症状が関節痛、食欲がない、うつ傾向になり気持ちが塞ぎ込む、ぜん息が悪化するなど多様なこともあり、自覚していないことも珍しくありません。

梅雨どきは、梅雨冷えだけでなく、蒸し暑かったり雷雨があったりと、気圧、気温、湿度の変化が多いものです。体が季節についていけないと、不調が起きやすくなります。

「さらに、梅雨開けにはいきなり暑さがやってくると予想されています。長梅雨で、汗をしっかりかける体になる『暑熱順化(しょねつじゅんか)』がうまくできない人が増えるでしょう。これが3つ目ですね。今年は、夏バテが恐いですね」(佐藤先生)

梅雨どきの天気痛対策

梅雨のなかでも体を整え、天気痛を予防、改善することはできるといいます。

「まず、家の中の湿気を減らすことです。人の体は、不感蒸泄(ふかんじょうせつ)といって、自覚がなくても皮膚から水分が蒸散しています。除湿機やエアコンの除湿機能を利用して湿度を低くすれば、これを増やすことができます。洗濯物もできることなら部屋干しでなく、乾燥機や浴室乾燥に。少なくとも寝室近くは避けましょう。

寝る環境の湿度は、睡眠の質に影響します。ムシムシ寝苦しいなら、除湿して寝ましょう。メンタル面で落ち込まないためにも、睡眠時間を確保することは重要です」(佐藤先生)

もちろん、適度な汗をかくことも大切です。

「お風呂で半身浴をすると発汗が促されます。また、梅雨どきの外出はベタつくような汗になりますが、冷やしたタオルやウェットティッシュなどでこまめにふき、汗をかきやすくしましょう。特に梅雨の後半は、暑さに耐えられる体づくりの期間です。晴れ間があれば、外に出て散歩やジョギングなど軽い運動をおすすめします」(佐藤先生)
梅雨で頭痛やめまいなどの天気痛に悩まされる場合は、「くるくる耳マッサージ」がおすすめです。

「手軽にできるマッサージですが、内耳の血流をよくして自律神経を整え、不調を軽減する効果があります。『雨ダルさん』は、朝晩1回ずつ毎日続けてみてください」(佐藤先生)

悩みの多い梅雨どきですが、対策をすることで少しでも元気に楽しく過ごせるようにしていきましょう。