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週刊地震情報 2021.5.23 中国大陸で大きな地震が相次ぐ わずか4時間の間隔で発生

2021/05/23 10:29 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された地震回数は前週に比べると少ない水準で、この週も北海道から関東にかけての太平洋側で地震が多い状況です。震度3以上の地震は1回発生しました。(5月17日~5月23日10時の集計)

国内:栃木県北部でM4.2 最大震度3を観測

栃木県北部の地震
21日(金)7時16分頃、栃木県北部を震源とするマグニチュード4.2、深さ9kmと推定される地震が発生しました。この地震で栃木県那須塩原市や福島県白河市などで最大震度の3を観測しました。

栃木県北部を震源とする地震の多くは日光周辺が目立ち、今回のような那須塩原周辺では2013年6月に発生したマグニチュード3.9の地震以来です。

今回の震源付近では那須野原西縁に伸びる関谷断層が知られています。関谷断層の活動は西側隆起の逆断層であるのに対し、21日(金)の地震は解析の結果、横ずれ型でした。このため、断層そのものの活動ではないと見られます。

世界:中国の内陸部で大きな地震相次ぐ

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は4回発生しています。最も大きな地震は中国大陸で発生したマグニチュード7.3の地震です。

日本時間の22日(土)未明に中国・青海省でマグニチュード7.3、深さ約10kmと推定される地震が発生しました。

震源近くでは最大で改正メルカリ震度階級のⅧ程度の揺れがあったと見られます。厳密な比較はできないものの、日本の気象庁震度階級に換算すると「震度5強」程度に相当する強い揺れです。現地当局によると高速道路や建物などに揺れによる被害が出ているとのことです。
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また、中国・雲南省でも前出の地震の約4時間前となる日本時間の21日(金)深夜にマグニチュード6.1、深さ約10kmと推定される地震が発生しています。震源は標高3000mを超える山岳地帯ですが、近くに洱海(ジ海)があって湖畔に都市が広がっており、揺れの影響で亡くなった方が出ています。

相次いで発生した2つの地震のメカニズムはともに横ずれ型と解析されています。

中国の内陸部はインドプレートやフィリピン海プレートの動きによって地震活動が活発で、しばしば直下型の大地震を引き起こします。代表的なのが四川大地震とも呼ばれる2008年のマグニチュード7.9の地震で、甚大な被害に見舞われました。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。