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富士山に笠雲 その下には初夏に現れる雪形「農鳥」

2021/05/18 07:44 ウェザーニュース

山梨県富士河口湖町より(18日6時30分過ぎに撮影)

今日18日(火)朝は富士山周辺は雲の隙間に入り、山梨県側からは青空にそびえる富士山に笠雲が見られました。

一方、静岡県側には低い雲や霧が発生して、富士山の姿を見ることができていません。

山梨県側でも午後には雨に

今朝は本州を南下する前線の影響で、富士山頂付近では風速20~25m/s程度の強い西風が吹いています。前線に近く、上空には湿った空気が残っているため、笠雲が発生したと考えられます。

午後はこの前線の影響で山梨県内でも雨が降る予想です。今朝見られた笠雲は天気下り坂のサインと言えそうです。
>>1時間ごとの天気・気温

笠雲とは?

笠雲とは?
笠雲は富士山のような独立峰の山頂付近に現れる雲で、山が笠を被っているように見えることから笠雲と呼ばれます。
 ・「上空の風が強い」
 ・「湿った空気が存在する」
という気象条件の時に発生しやすくなります。

強い風が山にぶつかると、両側や上方に風の流れが変わります。空気が湿っていると、空気が山にぶつかって持ち上げられると膨張して冷えることで雲ができ、山頂の風下側では再び空気が下ることで空気が暖まって雲が消える、という原理で山頂付近にだけ雲ができるのです。これが絶え間なく繰り返されているので、同じ場所に雲がとどまっているように見えています。

雪が鳥の形に残る「農鳥(のうとり)」も見えた

山梨県富士河口湖町から見えた「農鳥」(18日6時前に撮影)
また、笠の雲のすぐ下には、残った雪が鳥の形をした「農鳥(のうとり)」も見られました。

「農鳥(のうとり)」とは、4月後半~5月中旬頃に、富士山の7〜8合目あたりに現れる鳥の形をした残雪のことです。昔から農鳥が現れると、田んぼに植える稲を作るために、種もみから育苗を始める目安ともされていたようです。今では農作業が早まって、農鳥が出現する頃は田植えが行われるタイミングとのことです。

>>ライブカメラで富士山を見る

参考資料など

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)山梨県富士河口湖町より けんさん