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梅雨頃から気を付けたい 常温注意の野菜

2021/05/18 06:06 ウェザーニュース

温度や湿度がぐんと高くなり、食材の保存にも注意が必要な時季になりました。気温が低いときは常温でOKだった野菜でも、梅雨どきになると傷んでしまいます。

注意するべき代表的な野菜の保存方法を、野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに伺いました。

食材を冷蔵庫で保存する際の注意点

「いつもは常温で保存できる野菜でも、梅雨どきは冷蔵庫を使うなど、鮮度を保つ工夫が必要です」(吉田さん)

その際の大原則は、
(1)雑菌が繁殖しやすい肉・魚と野菜は離して保存すること。
(2)冷蔵庫に入れるときは野菜が傷付かないように丁寧に扱うこと。

万一傷付くとそこから酵素が出て変色・劣化が進む原因になります。

その上で吉田さんは、「乾燥に弱い野菜は袋で包んで入れるなど、野菜の特性に応じた冷蔵庫の使い方が大切です」とアドバイスします。

以下、吉田さんに教わった代表的な野菜の保存方法です。

代表的な常温注意の野菜

(1)ジャガイモ


ジャガイモ、サツマイモ、さといもなどのイモ類は、低温に弱いので冷蔵庫ではなく常温で保存します。しかし、梅雨どきは傷んでしまううえ、ジャガイモの場合は有害な芽が出るため、常温保存は避けたほうが安全です。

冷蔵庫へ入れる目安は、常温で15〜20℃を超えるとき。ウェザーニュースのアンケート調査では72%の人がジャガイモを常温で保存しているようですが、最近は各地で25℃以上の夏日を観測する日も増えているので、そろそろ冷蔵庫に移した方が良いでしょう。
冷蔵庫で保存するときは、乾燥を防ぐため何個かまとめて新聞紙で包み、口をゆるく留めたポリ袋に入れて野菜室に入れます。

このとき、エチレンガスを発生させるリンゴと一緒に保存すると、発芽を遅らせることができます。といっても、お勧めできる保存期間はせいぜい2週間。買ったら早く食べるのが、傷みや発芽で失敗しないコツです。

ジャガイモを長期間冷蔵すると、有害物質であるアクリルアミド生成の原因となる還元糖が増えます。つまり、冷蔵したジャガイモをそのまま炒め物や揚げ物に使うと、アクリルアミドができやすくなるのです。アクリルアミドは、焦げるほど炒め過ぎたり、揚げ過ぎたりしてもできやすくなることがわかっています。

そのため、冷蔵したジャガイモは切った後、調理する前に水にさらすか、「炒める、揚げる」ではなく「煮る、蒸す、ゆでる」方法で調理したほうが健康的です。

(2)タマネギ、ニンニク


タマネギやニンニクも常温保存する野菜ですが、梅雨どきは傷まないよう冷蔵庫を使いましょう。どちらも湿気に弱いので、湿気の高い野菜室ではなく、新聞紙に包んで冷蔵室へ入れるといいでしょう。

タマネギやニンニクを冷蔵室で保存すると、傷むだけでなく芽や根が出ることも防げます。ただし、冷蔵室に入れればいつまでも保存できるわけではありません。数週間も置かず、なるべく早く食べるのが賢明です。

また、野菜を長持ちさせるためのコツは、土に埋まっていたときの姿を再現して、冷蔵庫の中でも立てておくといいそうです。

(3)ニンジン、ダイコン


ニンジンやダイコンは乾燥にも湿気にも弱いので、野菜室に入れるかしっかり包んで冷蔵室で保存します。

ニンジンは水分に弱いので、買ってきた袋から出して水気を拭き取り、1本ずつ新聞紙に包んで冷蔵室で保存しましょう。買ってきたときのビニール袋に入れたままにしておくと、結露が付いて早く傷むのです。冷蔵室で保存すると、2週間ほどはもちます。

1本丸ごとのダイコンは、葉が付いていれば切り離します。根にある栄養が、葉へ持っていかれるからです。根の部分は、新聞紙かラップで包んで冷蔵室へ入れます。こうすると、2週間近くもちます。ラップで包むなら切り口だけでなく、全体をくるんでください。

使うために輪切りにして残った根も、全体をラップでくるんで冷蔵で保存します。こちらは長く保存せず、数日で使い切ったほうが安全です。

うっかり買ったまま常温で保存しがちな野菜類ですが、梅雨から夏場にかけては食中毒を避けるために吉田さんのアドバイスを参考に、それぞれの野菜に適した方法で保存するようにしましょう。

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参考資料など

農林水産省「安全で健やかな食生活をおくるために」(https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/acryl_amide/pdf/aa_syosai.pdf)