「市販のヨーグルトを水切りして木綿豆腐のようにしたものが『水切りヨーグルト』、その際に出てきた水分を『ホエー』といいます。

ヨーグルトは成分が濃縮し酸味が抜けて、まるでサワークリームやクリームチーズのような風味をもっているのに、低カロリーなのが特長です。ヨーグルトは水を切ってもカルシウムなどはほとんど減少せず、タンパク質は水切り前の約2倍になります。

水切りで生じたホエーの乳清タンパク質に含まれる必須アミノ酸は、人体に不可欠なアミノ酸パターンのすべてを十分に満たしていると言われています。

普段食べているヨーグルトにちょっと手を加えるだけで食のバリエーションが増え、いまでは健康にいい食品として知られています」(加藤さん)

水切りヨーグルトとホエーはどのようにして作るのでしょうか。

「ざるにキッチンペーパーを敷き、市販のヨーグルトを入れて、数時間から一晩置きます。時間を短縮したいときには、ヨーグルトにキッチンペーバーでふたをして、その上に水を入れたビニール袋をのせて重しにします。こうすると水を切る時間は5～10分ぐらいに短縮できます。

そうして出た水分がホエーです。ヨーグルト450～500gが約半分になり、ホエーがコップ1杯程度とれるぐらいが、目安になります」(加藤さん)

水切りヨーグルトにはどんな活用法があるのでしょうか。

「チーズやマヨネーズの代わりに使います。おもな料理への使い方は次のとおりです」(加藤さん)

【ピザトースト】
食パンにピザ用ソースを塗り、トマト、ピーマン、サラミなどと水切りヨーグルトをたっぷり載せ、粉チーズを振りかけてトースターで焼きます。チーズだけのときよりも濃厚な味わいが楽しめます。

【カプレーゼ】
トマトと水切りヨーグルトを交互に並べて塩、こしょう、オリーブオイルをかけます。

【ポテトサラダ】
ゆでたジャガイモ、キュウリ、ハムなど、普通のポテトサラダの材料に、マヨネーズの代わりとして水切りヨーグルトを混ぜ込み、塩、こしょうにオリーブオイルを少々加えます。

「いつものメニューが、水切りヨーグルトを添えることによって、ワンランクアップの味わいになります」(加藤さん)

ホエーはどのようにして使えばいいのでしょうか。

「ホエーはカルシウムを豊富に含んでいるので、有効に使いましょう。そのまま料理にかけてもおいしいのですが、調理の際の隠し味にも大活躍します」(加藤さん)

【ホエーゼリー】
ホエーにレモン汁も少し足し、砂糖とゼラチンを加え冷蔵庫で冷やし固めます。

【ご飯を炊く水に混ぜる】
米2合に対してホエー200ccが目安となります。ホエーと合わせて適量の水を入れて、炊き上げます。炊き上がったご飯はほんのり甘味が増し、冷凍してもモチモチ感が残ります。

【唐揚げの下味に】
下味を付ける際に、ホエーを鶏肉に揉みこみます。肉がジューシーになり、冷めても柔らかさが保たれます。

【野菜の浅漬けの漬け汁に】
ホエーに塩、こしょう、オリーブオイルなどを入れ、野菜を漬けます。酢よりもマイルドな漬け上がりになりますので、酢の苦手な人でもおいしく食べられます。

わずかな手間で作れる水切りヨーグルトとホエーですが、豊富な栄養分が含まれています。ヨーグルトの日に水切りヨーグルトとホエーを使った料理を、おうち時間で単調になりがちな食卓に加えてみてはいかがでしょうか。