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知っていますか? わかめとめかぶと茎わかめの違い

2021/04/19 05:54 ウェザーニュース

今ではパック入りで販売されて食卓ではおなじみになっているめかぶ。あの独特のネバネバが好きという方も多いと思いますが、生の状態で出回るのは今の時季だけだそうです。詳しい話を、船橋地方卸売市場の株式会社山末の本部長、内海貴久さんに伺いました。

わかめとめかぶは部位の違い?

左からわかめ、めかぶ、茎わかめ
めかぶは細かく切られて売られていることが多いので、海藻かな?ぐらいはわかっても元が何なのか知らない人が少なくないのではないでしょうか。

「めかぶはわかめの根元にあるひだが多い部分で、春先に胞子を放出する生殖細胞が集まった器官です。見た目はわかめ(葉の部分)とだいぶ違っていて、わかめより細かくひだがよっていて厚みがあります」(内海さん)
「何より特徴的なのは強いぬめりです。納豆並みに糸を引くので、通常は納豆のパックのようにして売られていますが、今の時季だけは生の状態で店頭に並びます。

暗褐色をしていますが、ゆでるとわかめと同じように鮮やかな緑色に変わります。ちなみにコリコリ食感で人気のある茎わかめは文字通り、わかめの茎です」(内海さん)

めかぶ料理のコツはゆでる前の片栗粉

茹でる前(上)と茹でた後(下)のめかぶ
生の状態だとめかぶのぬめりはあまり感じられません。

「めかぶをゆでると鮮やかな緑に変わり、強烈なぬめりが出てきます。これを包丁で切ろうとするとぬるぬると滑って、切るのは至難の業です。つかむことさえ難しいぐらいです。

そこで、調理する時は、生の状態でまず茎からひだの部分をはずし、ひだの部分と片栗粉をポリ袋に入れてから袋をよく振って、ひだ全体に片栗粉をまぶします。その後、包丁で切ると、片栗粉が滑り止めになって切りやすくなります。

細かく切れたら熱湯にさっとかけるだけで、おなじみのめかぶができあがります。片栗粉は流れてしまうので気になりません。

生からゆでためかぶは鮮度抜群、食感もよく、パック詰めのものとは格段に違います」(内海さん)

管理栄養士の柴田聡美さんによると、わかめもめかぶも低カロリーで食物繊維が豊富。めかぶはわかめ(葉の部分)よりカリウムが約8倍含まれ、ヨウ素やカルシウムなども多く含まれます。ぬめり成分のアルギン酸やフコイダンには血圧を下げたり、胃潰瘍を防止するなどの効果もあるそうです。

今の時季だけ出回る生のめかぶを上手に調理して、独特のぬめりとコリコリ食感を味わってみませんか。

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