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ラニーニャ現象は弱まり終息近い
夏は平常状態で夏らしい暑さに(エルニーニョ監視速報)

2021/04/09 14:34 ウェザーニュース

気象庁は今日9日(金)、最新のエルニーニョ監視速報を発表しました。昨年から続いているラニーニャ現象は弱まりつつあり、春のうちに終息する見込みです。

3月のエルニーニョ監視海域の海面水温は基準値より0.6℃低く、ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の1月の値も基準値より0.8℃低くなりました。引き続きラニーニャ現象発生の基準は満たしています。

ラニーニャ現象は弱まっている

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エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率
太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発で、中部の貿易風(東風)は平年よりも強くなりました。

このような海洋と大気の状態はラニーニャ現象の特徴を示しているものの、太平洋赤道域中部を中心に海面水温の平年との差は小さくなってきており、海洋表層では東部まで暖水が進みつつあることから、ラニーニャ現象は弱まっていると考えられます。

春の間にラニーニャ現象が終息する可能性が高い

太平洋赤道域の西部から中部に海洋表層を東進する暖水の東進が見られ、今後は東部の海面水温が平年より低い状態は解消に向かう見通しです。

エルニーニョ・ラニーニャの動向を予測するコンピューターシミュレーションの結果では4月に平常の状態となる確率が70%に上昇しており、春の間にラニーニャ現象が終息する可能性が高く、夏は平常の状態になる可能性が高いと見られます。

梅雨らしい梅雨、夏らしい夏に

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夏の気圧配置イメージ
今年の夏は平常の状態となることから、ラニーニャ現象やエルニーニョ現象による夏の気候への影響はない見込みです。

気象庁の長期予報では夏(6~8月)の気温は西日本や東日本、北日本で平年並みか高め、沖縄と奄美で平年より高い予想となっています。梅雨の期間の雨量は平年並みか多い予想です。

梅雨は梅雨らしく雨が多く、夏は夏らしく暑くなる見通しです。
» この先3か月の長期予報

参考資料など

気象庁より

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