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二十四節気「清明」草木が活き活きする頃

2021/04/04 04:55 ウェザーニュース

この時期は朝晩はまだ寒いものの、日差しが強く、春を実感できるようになってきました。
4月4日からは二十四節気「清明(せいめい)」、七十二候「玄鳥至(つばめきたる)」です。

ツバメはともかく、清明はあまり聞きなれない暦ですよね。名前からもなかなか想像しにくいですが、一体どんな時期なのでしょうか。

清らかで美しく

鹿児島県より(2017年撮影)
今回の二十四節気のテーマ「清明」は「清浄明潔(せいじょうめいけつ)」という言葉の略となっています。
こよみ便覧(江戸時代に書かれた暦の解説書)の清明の説明部分で登場しており、この時期は、草木を始めとした全ての物が活き活きとしており、清らかで美しいということを伝えています。

清明節は日本のお盆

中国には清明節(せいめいせつ)という祝日があります。毎年4月の4日前後で、ご先祖様にご加護と平安を祈る日とされています。
清明節は、家族そろって祖先の墓に足を運び、お供えをしたり、お墓の掃除をするという習慣があります。日本でいうお盆のようなものですね。

ちなみに、お墓を清めるという意味合いから、別名「掃墓節(そうぼせつ)」とも言われているそうです。

沖縄では当たり前のシーミー

清明祭は、中国のみならず沖縄でも実施されています。「せいめいさい」ではなく「シーミー」と呼ばれ、二十四節気「清明」の期間に行うところがほとんどだそうです。目的は中国と同じくご先祖様の供養。

ただ、シーミーにはちょっと変わった点が。掃除などを済ませた後、お墓の前にレジャーシートを敷いて、お重に入ったごちそうを食べるという習慣があります。

「え、お墓の前で?狭くないの…?」なんて思いますが、沖縄のお墓の前は、清明祭のためにきちんとスペースが設けられているようです。

家族とワイワイ楽しみながら食事ができるということで、ご先祖様自身も楽しみにしている行事の一つかもしれませんね。

季節の移り変わり感じる時期

神奈川県より(2021年撮影)
「春を迎えて郊外を散策する日」ということで、清明節は、掃墓節の他に「踏青節(とうせいせつ)」とも言われています。
暖かくなった清明の時期にはまさにピッタリです。

七十二候では、そろそろツバメが渡ってくる時期だと伝えていますから、のんびりと散歩をしている最中にツバメ見かけることも多くなることでしょう。
ツバメに限らず、辺りを見渡せば、草木や生き物が活動を始め、春の訪れを知らせています。

春彼岸でお墓参りには行ったばかりだから…なんて言わずに、清明の時期はご先祖様のもとに足を運び、季節の変化を共有するのもよいかもしれません。

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参考資料など

【参考・参照元】
太玄斎(1787)『こよみ便覧』dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2536637
ジャパノート「清明とは? 意味と由来は? 【2017年版】」idea1616.com/seimei/
気軽に、楽しく取り入れよう 日本の行事・暦「清明(せいめい)」koyomigyouji.com/24-seimei.htm
暦生活「清明」www.543life.com/season-seimei.html
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)はるさんしましまぽっとさん