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今年はお手頃!? 魚のプロが教える、おいしいホタルイカの見分け方

2021/03/30 05:11 ウェザーニュース

ホタルイカが旬を迎える時季になりました。これから一時期だけ出回る、鮮度がよいままゆで上げられたばかりのホタルイカは、冷凍ものとは別格のおいしさです。おいしいホタルイカの見分け方を、船橋地方卸売市場の内海貴久さん(株式会社山末本部長)に伺いました。

産地によって倍以上の値段の開きが

ホタルイカというと、生は珍しく、普通はゆでたものが流通しています。

「ホタルイカは富山だけで獲れるものと思われがちですが、実際は日本海を回遊しているものを底曳網(そこびきあみ)で獲った富山以外の産地ものも多く出回っています。『湾内産』と呼ばれる富山湾内産は富山湾に産卵のために入ってきたものを定置網で獲るもので、他地域に比べて大ぶりで、しかも漁場が近いので獲ってすぐ加工できます」(内海さん)
富山湾内産は他地域と倍以上の価格差
富山湾内産は他の地域と比べて価格が高めです。大ぶりで獲ってすぐ加工できるということ以外にも、湾内産が高額になる理由があるようです。

富山湾内産はオスが数千匹に1匹

「ホタルイカは3月から6月頃、産卵のために富山湾にやってきますが、そのほとんどが卵をもったメスです。オスは数千匹に1匹しかいないと言われています。オスはメスより華奢でやせていてますが、富山湾に入る前にほとんどが死んでしまうからです。

一方、メスは産卵に備えてたっぷり栄養を蓄えていて味が濃厚です。今はまだあまり大きくありませんが、4月以降はもっと大ぶりになって胴の部分がはち切れそうになります。一口食べると肝の濃厚な旨みが広がります。

肝の濃厚さが好きなら富山湾内産、肝と身のバランスが取れた方が好きなら他地域産をおすすめします。ただ、おいしさを左右するのはまずは鮮度です。どちら産でも鮮度のよいものを選ぶようにすれば、今の時季はとてもおいしいですよ」(内海さん)

胴がパンパン、足が丸まったものは鮮度〇

よく見かけるゆでたホタルイカの鮮度の見分け方を教えてもらいました。

「まず胴の部分が丸々として色が濃くツヤがあり、パンパンになっているものは鮮度がよいです。さらに、足がくるっと丸まっていて、耳の裏の部分が真っ白、目も白く、目の周りもはっきりしているものを選ぶようにしてください。

また、販売時に入っている容器に水(ドリップ)が溜まっているものはNGです。鮮度のよいものを買って、目玉を取ってから酢味噌で食べてみてください」(内海さん)

今年は富山湾の漁が解禁されてから水揚げ好調で、例年より値段が下がり、よいものが手ごろな価格で買えるそうです。今の時季だけ味わえる春の味、ホタルイカ。和食だけでなくパスタや炒め物にも合うので、いろいろなアレンジで楽しみましょう。
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