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週刊地震情報 2021.3.14 3月9日(火)に宮城県沖でM4.9 最大震度は4を観測

2021/04/07 11:23 ウェザーニュース

この1週間で、国内で観測された地震回数は前週とほぼ同じ水準です。関東から北海道の太平洋側にかけてのエリアと九州で地震が目立ちました。震度3以上の地震は2回発生しています。(3月8日~14日10時の集計)

国内:宮城県沖でM4.9 プレート境界より深くで発生か

宮城県沖の地震
9日(火)8時30分頃、宮城県沖を震源とするマグニチュード4.9、深さ約76kmと推定される地震が発生しました。この地震で宮城県石巻市と涌谷町で最大震度4、気仙沼市や仙台市、岩手県釜石市、一関市などで震度3を観測しています。

地震のメカニズムは西北西ー東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。深さやメカニズムから、いわゆる「宮城県沖地震」と呼ばれるプレート境界ではなく、それより深いプレート内部で発生した地震と考えられます。

今回の震源とほぼ同じ場所で2003年5月にマグニチュード7.1の地震が発生し、最大震度6強の強い揺れを観測しました。

2月に発生した福島県沖と同様、2011年3月の超巨大地震が発生してから10年が経過した今も、地震活動は活発な状況となっています。政府の地震調査推進本部は、マグニチュード7.9程度の宮城県沖地震が今後30年に発生する確率を20%、ひと回り小さいマグニチュード7.0~7.5クラスの発生する確率は90%程度としています。

改めて地震への備えを確認するようにしてください。

国内:熊本地震の活動領域で約1年半ぶりの震度4

熊本県熊本地方の地震
14日(日)9時22分頃、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード4.4、深さ約10kmと推定される地震が発生しました。この地震で熊本市や宇土市、宇城市で最大震度4を観測しています。

震源は2016年に発生した熊本地震の活動領域です。防災科学技術研究所の速報解析によると地震のメカニズムが横ずれ型であることから、一連の活動の一つと考えられます。

この領域の活動は近年落ち着いており、震度4以上を観測する地震が発生するのは、2018年8月以来のことです。

世界:アイスランドで地震続く 火山噴火の懸念

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は発生していません。最も強いものはマグニチュード5.9の地震です。

今週の注目はアイスランド・レイキャネス半島の地震活動です。2月の下旬から地震が増え、3月に入っても活発な活動が継続しています。10日(水)にはマグニチュード5.1の地震が発生しました。

アイスランドの気象局は一連の地震活動を地下のマグマ活動によるとの見解を示しています。現地時間の11日(木)時点では、噴火の可能性があるものの、溶岩が人口の多い地域に到達する可能性は低いとしています。

航空機向けの火山活動の警戒レベルを示すカラーコードは、上から2番目のオレンジが継続されており、引き続き今後の状況から目が離せません。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。