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今が旬のクレソンは栄養価ナンバーワンの野菜だった!?

2021/03/13 04:59 ウェザーニュース

ピリッとした辛味が特徴のクレソン。今では1年中出回っていますが、本来は3~5月が旬です。ステーキの付け合わせなど、料理に彩りを添える野菜で脇役的な扱いを受けることが多いのですが、みなさんどんな野菜か知っていますか?

ウェザーニュースで「クレソンをよく食べますか?」というアンケート調査を行ったところ、クレソンを知らない人は全体で2割ほど。また、「食べたことある」(54%)、「たまに食べる」(23%)が多数派で、多くの人はふだんの食事には、ほとんど取り入れていないことが分かりました。
実はこのクレソンは、アメリカでは長年スーパーフードとして知られていて、高い栄養価があるといいます。詳しい話を管理栄養士の柴田聡美さんに伺いました。

全米でトップ! 栄養素は100点満点

クレソンはヨーロッパ原産の野菜で、日本に入ってきたのは明治初めごろだそうです。

「クレソンは、健康のために大切な栄養素を幅広く、しかも大量に含んでいます。具体的には、カリウム、タンパク質、カルシウム、鉄、亜鉛、ビタミンA・C、食物繊維などが豊富に含まれているのです。

2014年にはアメリカ疾病予防管理センター(CDC)が健康に重要とされる栄養素をスコア化し、「栄養素の高い果物と野菜トップ41」を発表しましたが、その中でクレソンは100点満点を獲得したほどです。

他にも解毒機能の強化や抗がん作用があるとされる『グルコシノレート』、血栓予防の効果があるとされる『アリルイソチオシアネート』なども含まれています。

食べるとピリッとした辛みがありますが、これは抗酸化成分『シニグリン』で、食欲を増進させ、消化を助ける働きがあり、さらには抗菌力も持つので、お弁当の付け合わせに入れるとよいでしょう」(柴田さん)

旺盛な繁殖力で都市部でも自生

用水路に自生するクレソンとセリ
最近では自生しているのをよく見かける、という声も聞きます。

「クレソンは繁殖力が旺盛で、切った根の状態だけでも繁殖するので、今では都市部でも河川敷や小川のそばを注意して見てみると自生しているのがわかります。

もともとは栽培農家や家庭で料理のしたごしらえで切り落とされた茎が捨てられたり、排水で流れて繁殖したといわれています。日本のセリと生息域が重なるので、外来植物として問題になっている地域もあるそうです。

自生するクレソンは今の時季、柔らかくておいしそうに見えますが、虫がいることがあるので、食べないようにしてください」(柴田さん)

クレソンには独特の辛みや香りがありますが、辛み成分は、加熱すると消えるので、炒め物などにすると辛みが飛んで香りもさわやかになり、食べやすくなるそうです。付け合わせだけでなく、サラダなどでたっぷりいただいて、体調管理に役立てましょう。
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