やはりダウンの洗濯はなかなかハードルが高そうです。しかし、アウトドアブランド・パタゴニアの公式ブログ「クリーネストライン」では、「怖がってダウンジャケットの洗濯をしない人が少なくありません。でも実際は、ダウンは驚くほど丈夫です。濡れたダウンはたしかに実質的に保温効果ゼロですが、濡らすこと自体でダウンを傷めるということはありません。ダウンジャケットの洗濯はジーンズの洗濯とさほど変わらないのです」と説明します。

パタゴニアの「クリーネストライン」を参考に家庭で行える洗濯の方法を紹介します。

実は、ダウン製品のメンテナンスには、ドライクリーニングよりも家庭での洗濯がおすすめだといいます。

ダウン製品は羽毛の繊維の間に空気を含むことで、高い保温性を発揮するものです。汗や皮脂、ホコリなどで汚れてしまうと、羽毛のロフト(かさ高)が減って、保温性も落ちてしまいます。汚れやロフトの減りが気になった時や、1シーズンに1回など、定期的に洗濯することで羽毛をふわふわに蘇らせ、ダウン製品本来の機能を回復できるのです。ドライクリーニングは、非常に強力な化学薬品の使用によって羽毛へのダメージが強いことが多いので、家庭での洗濯をおすすめしているそうです。

使うのは、洗剤と洗濯ネット、洗濯機、乾燥機、そしてテニスボールです。テニスボールを用いることでダウンをほぐしやすくなりますが、必須ではなく、あればで構いません。

羽毛の油分を取りすぎないよう、中性洗剤か弱アルカリ性の洗剤、可能ならばダウン専用洗剤を使うとよいでしょう。洗濯機はドラム式、乾燥機は低温か冷温を設定できるものにします。縦型洗濯機の場合は、攪拌運動がダウンの生地への負担となるので、手洗いコースか手洗いをおすすめします。なお、ダウン製品には漂白剤、アイロン、柔軟剤は使用しないでください。

ダウンを洗濯する方法

※洗濯表示で洗濯できることを確認してから洗濯してください

（1）ジッパーを閉じて、ネットに入れる
洗濯前に、ドローコード(ひもなど)を戻し、ジッパーやベルクロ(面ファスナー)などは閉じる。袖口や襟などの汚れのひどい部分は部分洗い用の洗剤を塗るか、あらかじめ部分洗いする。汚れた部分が外側になるようにたたみ、洗濯ネットに入れる。

（2）ウエアを洗濯機に入れる
洗剤のボトルに記載されている使用量に合わせ冷水で溶いて、洗剤を洗濯機に入れる(縦型洗濯機の場合は約1.5倍の使用量が目安)。ウエアを入れて、浮いてしまわないよう洗剤液にしっかり沈める。

（3）洗濯機を回す
洗濯機で洗浄、すすぎ、脱水まで行う。汚れがひどい場合は、途中で洗濯機を止めて1時間ほど漬けておくとよい。すすぎは、洗剤が残らないよう念入りに(洗剤を入れずに、洗濯機をもう1度回すとより確実)。

（4）テニスボールを使って乾燥
乾燥機に、ウエアときれいなテニスボール2〜3個を入れて、『低温』または『冷温』設定で乾燥する。途中で数回ウエアを取り出して、羽毛のかたよりをほぐす。しっかり乾燥するまで、数回行う。

〈自然乾燥の場合〉
直射日光の当たらない暖かい場所にタオルを広げ、その上で平干しする。羽毛が固まらないようにときどき手で叩くようにほぐし、裏返すこと。数日から1週間かけ、完全に乾燥させる。

テニスボールを一緒に乾燥機に入れることで、叩きながら乾燥する状態になります。羽毛が偏るのを防いで効率よく乾燥でき、膨らみを回復させられるのです。ただし、テニスボールを使用する場合でも、定期的に乾燥機からダウンジャケットを取り出して、指でダウンの塊をほぐすことをおすすめします。

高温はダウンを傷める原因となるので、低温でゆっくり乾燥させるのが大切です。コインランドリーの乾燥機では、低温設定でも温度が高めのことがあるので注意しましょう。まんべんなく乾燥させるため、1度に入れるダウンは1〜2枚にします。

春はダウンを収納する方も多いでしょうが、水気が残ったまま風通しの無い場所に収納するとカビの原因となりますので、完全に乾いていることを確認しましょう。

来シーズン以降も長く愛用するために、正しいメンテナンスを行ってから収納しましょう。
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