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虫さんが目を覚ます頃 二十四節気「啓蟄」、七十二候「蟄虫啓戸」

2021/03/05 04:57 ウェザーニュース

3月5日からは、二十四節気「啓蟄」、七十二候「蟄虫啓戸」。
なかなか読めないこの漢字たちは、「啓蟄」は「けいちつ」、「蟄虫啓戸」は「すごもりむしとをひらく」と読みます。
一体どんなメッセージがこめられているのでしょうか。

啓蟄?すごもりむし?

「啓」には「開く」という意味が、「蟄」は「隠れる、閉じこもる」という意味があり、「蟄虫」は「地中で越冬する虫や動物」のことを指しています。

つまり、どちらも、土の中で冬ごもりをしていた虫や動物たちが、暖かさを感じて外に出てくる時期ということを伝えています。

実は今回の七十二候「蟄虫啓戸」は、秋分の次候「蟄虫坏戸」と対になっています。

いつになったら動物たちが現れるのか、また姿を消してしまうのかなど、暦の中では動植物が今の季節にどういう行動をとるのか、ということが重要視されているようですね。

春はまだかな・・・

動物や虫たちには、それぞれ適温というものがあり、種類によって異なります。
一例を挙げると、カメは水温及び気温が24〜29℃、シマリスは気温が20〜24℃が適温とされており、活発に活動することができます。(まなび野動物病院、岩崎動物病院より)

「そろそろかな?」と動物や虫たちが起き始めるのは、この適温になる少し前。
では今の時期は、動物たちが誘い出されるような暖かな気温になっているのでしょうか。

虫出しの雷

立春後に初めて鳴る雷は「初雷」または「虫出しの雷」と呼ばれています。
「虫出し」なんてずいぶん変わった名前ですが、実は虫たちが土から出始める啓蟄の頃は、初雷の時期とも言われているのです。

「もう春ですよ。そろそろ出てきなさい」と言わんばかりに雷様は虫たちを土から誘い出すようです。

私たち人間にとっては、雨や雷など単なる気象現象の一つにすぎません。
しかし、春を待つ動物や虫たちにとっては、自然界からの大切な合図なんだと思うと、今までとは少し見方が変わってくるかもしれません。

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参考資料など

【引用元】
weblio辞書「蟄」https://www.weblio.jp/content/%E8%9F%84
weblio辞書「啓」https://www.weblio.jp/content/%E5%95%93
岩崎動物病院「シマリスの飼育環境」https://iwasakiah.com/animal/chipmunk/locate
まなび野動物病院「カメで注意すべき病気・事故」https://www.manabinoanimal.com/wellness_and_preventive_care_for_pets/turtles/
【参考・参照元】
暦生活「啓蟄」https://www.543life.com/season-keichitsu.html
日本の行事・暦「啓蟄」https://koyomigyouji.com/24-keichitsu.htm
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
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