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春の山菜はなぜ体に良いの? 独特の苦みに秘められた「山菜パワー」とは

2021/02/28 04:56 ウェザーニュース

春を告げるフキノトウやタラの芽などの山菜が店頭に並ぶ時季になってきました。山菜というと「アクが強くて独特の苦みがある」というイメージがありますが、実はこの独特の風味にはすぐれた健康効果があると言われています。詳しい話を管理栄養士の柴田聡美さんに伺いました。

苦みの正体はポリフェノール、強い抗酸化力

山菜というと、苦みがあるものが多く、ちょっと苦手という人も少なくないと思いますが、この苦みの正体は何でしょうか。

「山菜独特の苦み成分の正体はポリフェノールです。ポリフェノールには強い抗酸化作用があり、活性酸素を抑えて細胞の若返りを促し、精神的ストレスの改善などにも効果が期待できると言われています。たとえば、フキノトウには、フキ独特のフキノール酸、フキ酸やジカフェオイルキナ酸などのポリフェノールが豊富に含まれています。

さらに、フキノリドというあの独特の香りを出す物質が含まれ、消化液を出すのを助けるため、胃腸の働きを整えて消化を促す効果もあります。春に向けて体を活性化させるにはもってこいの食材です」(柴田さん)

他にもすぐれた健康効果が

山菜の種類によって他にもさまざまな健康効果はあるそうです。

「最近、人気が出てきている行者ニンニクにはニラやニンニクなどに含まれる滋養強壮成分アリシンが豊富に含まれています。タラの芽には、動物実験の段階ではあるものの、抗酸化作用の他に血糖値を安定させる成分が含まれているとの報告もあります。またウドには鎮痛効果があると言われています。

ただ、一つの食材にこだわることなく、旬の山菜の独特の苦みや香りを食卓にそえて、季節感を感じながらおいしくいただくのが、健康増進や維持にとても重要です」(柴田さん)

苦みに応じた調理法でおいしく

山菜によっては、アクが強くて苦みが強いもの、そうでもないものがあると思います。それぞれの山菜に応じた調理法を教えてください。

「苦みの強いフキノトウやタラの芽はてんぷらがおすすめです。油で揚げることで苦みが和らぐのです。ワラビやセリなどは重曹でアクを抜くと苦みが薄れるので、ゴマ和えなどが向いています。

また。苦みがそれほど強くないウドやミツバなどは軽くゆでて水にさらし、おひたしにするとシャキシャキした食感が楽しめます。

こごみやウルイなどの苦みがほとんどないものは、さっとゆでてサラダや、そのまましゃぶしゃぶなどにして食べると香りも高く、春を感じられます」(柴田さん)

これから本格的に出回る山菜。アクや苦みに応じた調理法で山の春をおいしくいただき、健康増進につなげましょう。

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