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二十四節気「雨水」 冷たい雪から雨へと変わる頃

2021/02/18 04:50 ウェザーニュース

2月18日からは、二十四節気「雨水(うすい)」、七十二候「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」。

今冬は寒気が南下しやすく厳しい寒さの日が多いですが、暦の上では雪が雨にかわる頃と言われています。土脉潤起は、その雨で土が潤ってくる時期です。

春一番と雨一番?

この時期は「春一番」が吹く頃とされておりますが、今年はすでに関東で春一番の発表があり、過去最も早い記録を更新しました。そもそも春一番とは、冬から春への移行期に、初めて吹く暖かい南よりの強い風です。その威力は凄まじく、時に交通に影響が出る場合もあります。

さて、春一番は非常に有名ではありますが、「雨一番」というものもあるのをご存知でしょうか。
雨一番とは、北国で、立春以後初めて、雪がまじらないで降る雨のこと。
雨の途中で雪が混じってしまうと、雨一番にはならないため、まじりっけのない雨が降った時は、北国にもいよいよ春も近づいているということですね。

終雪の記録

東京都八王子市(2015年4月8日)
九州や西日本の太平洋側に位置する暖かいエリアでは、この頃終雪(この冬最後に降る雪またはミゾレ)を迎えます。しかし、北国では立春以降も相変わらず雪が降り続きます。
では、冬が長い北国で一番遅い終雪はいつ頃だと思いますか?

札幌管区気象台によると、1890年~2010年の間で最も遅い終雪は1941年の6月8日に網走で観測されたものだそうです。
6月というと、初夏の気配が漂い、運動すると少し汗ばむくらいですよね。そんな時、同じ日本でまだ雪が降っていたなんて・・・。

一方、東京で一番遅い終雪となったのは、2010年、1969年、1967年の4月17日。(気象庁調べ)
最近では、2015年の4月8日にも雪が降り、新たな終雪記録が加わりました。

おかしな気候だな…と思う反面、春の風物詩と冬の風物詩の共演というのは、惹きつけられるものがありますね。

少しずつ、でも確実に春へ

二十四節気や七十二候のテーマが徐々に春めいてきて、厳しい冬も終わりに近づいていることがわかります。

本格的な春はまだ先ですが、この頃から雪解けも進み、草木が芽生え始めます。昔から、雨水は農耕の準備を始める目安ともされてきました。

暦だけではなく、降る雨、吹く風などから新しい季節を肌で感じられる日もそう遠くはないのかもしれませんね。
>>4月にかけての天気傾向

参考資料など

【引用元】
気象庁のHP「いろいろな風に関する用語」

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kaze.html
気象庁天気相談所作成資料「東京の初雪・終雪の順位表」https://www.jma-net.go.jp/tokyo/sub_index/kiroku/kiroku/data/55.htm
気象庁天気相談所作成資料「関東地方の春一番」https://www.jma-net.go.jp/tokyo/sub_index/kiroku/kiroku/data/31.htm
札幌管区気象台ホームページ「6月8日の気象カレンダー」https://www.jma-net.go.jp/sapporo/tenki/calendar/today/0608.html

【参考・参照元】
暦生活「雨水」https://www.543life.com/season-usui.html
気軽に、楽しく取り入れよう 日本の行事・暦「雨水」https://koyomigyouji.com/24-usui.htm
住まいと生活の視点から。『びお』「土脉潤起・つちのしょううるおいおこる」https://www.bionet.jp/2009/02/bio72_04/
山岸照幸(2016)「おとなの楽習 (20) 理科のおさらい 気象」自由国民社

【写真】
ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
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