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コロナ禍で注意したい冬便秘、対策は?

2021/02/18 07:59 ウェザーニュース

最近、どことなく体調が悪いということはないでしょうか。肛門疾患・胃腸疾患を専門としている草間かほるクリニック(東京都港区)院長の草間香先生は、「冬便秘」を指摘します。冬に便秘になりやすい理由、新型コロナウイルス感染症の影響、対策などについて教えていただきます。

冷えから便秘、免疫力低下に

そもそも、冬は便秘になりやすいといいます。

「冬の気温の低さは、内臓にまで影響します。身体が冷えて血行が悪くなることで、内臓の働きも落ちるのです。腸の場合、腸内の温度が36℃を下回ると、ぜん動運動が衰えたり、腸内細菌のバランスが悪化したりします。

また、冬は気温だけでなく湿度も低くなるため、気づかぬうちに脱水傾向になります。マスクを着用しているために喉の乾きに気づきにくく、水分補給が遅れがちになることもあり、便秘を招きやすくなるのです。ほかに下痢やお腹の張り、痛みなどの症状がみられます」(草間先生)

さらに、今冬は新型コロナウイルス感染症による生活の変化が重なります。

「テレワークや自粛生活の影響で、例年よりも活動量や運動量が落ちている人が多いのではないでしょうか。また、不安やストレスから自律神経が乱れると、腸の活動を低下させてしまいます。

『便秘ぐらい』と我慢してしまう人も多いのですが、腸は、『消化』『免疫・防御』『解毒』という役割を果たしている大切な器官です。これらの乱れを放置していると、下痢や痔の悪化、肌荒れなどの不調につながります。

さらに、いま『腸管免疫』が注目されているように、腸は人体の免疫の要です。免疫の働きを担う細胞が大量にあり、腸内にはそれらのサポートとなる働きをするさまざまな細菌が棲んで、腸内フローラを形成しているのです。腸の働きが悪くなれば、免疫力が低下するおそれもあります」(草間先生)

温かい飲み物と腹巻で冷え対策

冬の便秘解消にはどうしたらよいのでしょうか。

「腸を冷やさないための冷え対策から行いましょう。私がおすすめしているのが、温かい飲み物を飲むことです。身体の中から温まり、水分補給にもなります。

もうひとつ手軽で効果的なのは腹巻です。へその下あたりを温めると、身体全体の血流がよくなる効果が期待できます。腸を温めることで基礎代謝も上がり、冷えが原因のさまざまな不調も改善していきます」(草間先生)

規則正しい生活を送ることも大切だといいます。

「軽い運動などでなるべく身体を動かす、入浴でゆっくり温まりリラックスするなど、普段の生活のなかで少しずつ工夫できます。食事でも、一品は汁物など温かい料理にする、玉ねぎや大根、ごぼうなどの身体を温め食物繊維の多い根菜類を選び、肉や魚、大豆類からたんぱく質を摂る、などしましょう」(草間先生)

冷えや便秘の自覚がある人だけでなく、何となく調子がよくないという人も、ぜひ取り入れてみてください。
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