飛鳥時代から色素として利用、漢方薬にも
「クチナシの実は果肉を水に溶かすと、鮮やかな黄色に染まります。この黄色は古くから、たくあんや栗の甘露煮の黄色を出したり、繊維を染める染料としても使われてきました。日本では飛鳥時代から用いられていたといいます。平安時代にはクチナシで染めた布は梔子(しし)色と呼ばれ、十二単(じゅうにひとえ)にも使われていたそうです。
現在でも食品を染める天然色素として広く使われていて、たくあん漬けなどの食品ラベルには『クチナシ色素』という表示が見られますが、その歴史はかなり古いものなのです。
「世界最古の薬学書『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』にも載っていて、山梔子(さんしし)または梔子(しし)という生薬名で漢方薬に数多く配合されています。消炎、利尿、鎮静、止血、さらに充血または炎症による胸の苦しさを治す薬効があり、吐血や黄疸(おうだん)に効能があるとされています。身近な植物ですが、食品や繊維の色付け、漢方薬として非常に古くから利用されてきたすぐれた果実なのです」(柴田さん)
現在でも食品を染める天然色素として広く使われていて、たくあん漬けなどの食品ラベルには『クチナシ色素』という表示が見られますが、その歴史はかなり古いものなのです。
「世界最古の薬学書『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』にも載っていて、山梔子(さんしし)または梔子(しし)という生薬名で漢方薬に数多く配合されています。消炎、利尿、鎮静、止血、さらに充血または炎症による胸の苦しさを治す薬効があり、吐血や黄疸(おうだん)に効能があるとされています。身近な植物ですが、食品や繊維の色付け、漢方薬として非常に古くから利用されてきたすぐれた果実なのです」(柴田さん)
乾燥させれば1年中使える色素に
公園などでも見かけることのある実ですが、今頃になると熟して落ち始めていることもあるようです。保存することはできるのでしょうか。
「保存は簡単で、実だけを摘み取って軽く洗い、そのまま日に干して乾燥させるだけです。カラカラに乾いたら長期保存が可能です。使う時は皮を破って水分に浸けるとすぐ鮮やかな黄色が出てきます。
匂いも味もないので、何にでも使えます。たとえば、サツマイモやカボチャを煮る時には、出汁用の鰹節を入れる紙製パックの中に皮を破った実を入れるだけで、鮮やかな黄色でおいしそうに煮上がります。スポンジケーキの黄色味を出すのにも使えます。水溶性なので使い方はごく簡単です」(柴田さん)
クチナシの色素はタンパク質分解物やアミノ酸等を加えることで、黄色からは想像できない「青」や「赤」の色素も作れるそうです。専門のスーパーやオンラインショップからも入手できるので、様々な料理で試してみてはいかがでしょうか。
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「保存は簡単で、実だけを摘み取って軽く洗い、そのまま日に干して乾燥させるだけです。カラカラに乾いたら長期保存が可能です。使う時は皮を破って水分に浸けるとすぐ鮮やかな黄色が出てきます。
匂いも味もないので、何にでも使えます。たとえば、サツマイモやカボチャを煮る時には、出汁用の鰹節を入れる紙製パックの中に皮を破った実を入れるだけで、鮮やかな黄色でおいしそうに煮上がります。スポンジケーキの黄色味を出すのにも使えます。水溶性なので使い方はごく簡単です」(柴田さん)
クチナシの色素はタンパク質分解物やアミノ酸等を加えることで、黄色からは想像できない「青」や「赤」の色素も作れるそうです。専門のスーパーやオンラインショップからも入手できるので、様々な料理で試してみてはいかがでしょうか。
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