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冬の体調不良は「暖房病」のせい!?

2021/01/19 05:53 ウェザーニュース

頭痛、めまい、吐き気、鼻炎、肌のかさつき……この時期の体調不良は「暖房病」のせいかもしれません。暖房が効きすぎて体に負担をかけているのです。どうしたら「暖房病」を解消できるのでしょうか。

エアコンは上半身が暖まりすぎる

最近はこたつを使う人が減って、暖房の主力はエアコンやストーブという家庭が多いようです。

「エアコンやストーブで暖められた部屋の空気は上に行くため、上半身とくに頭部が暖められることになります。暖房が効きすぎていると頭が暖まり過ぎて、頭痛、めまい、のぼせ、顔から汗が出るといった症状が出ます」と語るウェザーニュース気象病顧問アドバイザーで愛知医科大学客員教授・中部大学教授の医師、佐藤純先生が続けます。

「頭部が暖まりすぎると自律神経が乱れて、慢性的な疲れ、ねむけ、不眠、耳鳴り、手足のしびれなどさまざまな症状も出ます。『頭寒足熱(ずかんそくねつ)』といって、暖めるのは下半身にして頭部はあまり暖めないほうがよいのですが、エアコンやストーブは上半身がより暖まるため、『暖房病』につながりやすいのです」

空気の乾燥がもたらす体調不良

「エアコンによる暖房がもたらす空気の乾燥も『暖房病』を促進します」(佐藤先生)

冬の空気は乾燥しているうえに、暖房を入れると湿度がさらに20%台に下がります。人が快適に過ごせる湿度は40〜60%なので、これは乾燥しすぎです。

「人は不感蒸泄(ふかんじょうせつ)といって、呼気と皮膚から1日に1リットル近い水分を失っています。ところが冬はあまり汗をかかないことで水分をあまり摂らないために『隠れ脱水』になりやすいのです。脱水が軽度なら口の粘つき、肌のかさつきですが、進行すると頭痛や吐き気といった症状が現れるようになります。これらも『暖房病』といえます」(佐藤先生)

「暖房病」にならない対策は?

どうしたら「暖房病」を防げるのでしょうか。

「サーキュレーターや扇風機で部屋の空気を攪拌すれば、部屋の上下の温度差が減って頭部だけでなく下半身も暖めることができます。『隠れ脱水』の予防は、加湿器を使ったり、濡れタオルを部屋に干して部屋の湿度を上げたうえで、定期的に水分を補給する必要があります。冷たい飲み物は体を冷やすので、白湯やお茶がよいでしょう」(佐藤先生)

暖房が効いた暖かい部屋から寒い戸外に出ると寒暖差で、鼻水・鼻づまり・くしゃみ・頭痛・じんましんといった「寒暖差アレルギー」が出ることがあります。温度変化で血管が急に収縮して血圧が上がり、心臓や血管に負担がかかる場合もありますので、注意が必要です。これらも広い意味で「暖房病」といえるかもしれません。対策はどうしたらよいのでしょうか。

「私自身が実践していることですが、外出するだいぶ前に暖房を切り、その中で服を着替えるなど外出の用意をします。体を寒さに慣らしてから外出すると寒暖差アレルギーが軽減されます」(佐藤先生)

冬はいつも体調が思わしくないという人は「暖房病」かもしれません。サーキュレーターや加湿器、水分摂取などで改善を図ってはいかがでしょうか。

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