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お金をかけずにできる! 車の静電気解消法

2021/01/13 09:53 ウェザーニュース

冬場、車に乗り込もうとしてドアノブに触れたり、降りる際にキーでロックを掛けようとしたりした瞬間、指先が「バチッ!」っとしびれた経験は多いと思います。「乾燥」と「摩擦」によって生じやすくなる静電気のしわざといわれていますが、あの衝撃はほんとうにいやなものです。

なるべくお金をかけずに静電気を解消する裏技や、有効なグッズなどについて、まとめてみました。

微弱でも引火しやすいガソリンには注意を

すべての物質には<+電気>と<-電気>が含まれていて、2つの物質がこすれ合うと、一方に<+電気>、もう一方に<-電気>が増えて静電気がつくられます。湿度が高いと静電気は空気中の水分に放電しますが、乾燥する冬季は放電せずに体に蓄積してしまうのです。さらに、厚着をして衣類がこすれ合うことが増えるので、静電気も発生しやすくなります。

運転中に体を動かしたり車の座席から身体や衣服が離れたりするだけでも、静電気は発生します。冬場の車内は暖房でより乾燥するため、とくに静電気が起こりやすい環境にあるのです。

静電気は微弱でも電気に変わりなく、引火しやすいガソリンや灯油などには十分注意が必要です。特に最近増えてきているセルフスタンドでは、給油機に備えてある静電気防止シートに必ずタッチしてから、給油作業を行なうことを習慣づけましょう。

車の乗降時に使える裏技

静電気の放電を100%なくせるわけではありませんが、ちょっとしたやり方を覚えるだけで、あの不快な“バチッ!”を減らす効果のある方法を、ご紹介しましょう。

▼車に乗るとき
ドアノブに触れる前に、地面に軽くタッチしてから乗ること。そうすれば、身体に帯電している静電気が一旦放電されるので、“バチッ!”とくることはありません。

また、いきなり素手でドアノブに触らず、キーで車のボディに一度触っても放電が起きます。それからキーを差し込んでロックを解除すると、静電気を防止することができます。

▼車から降りるとき
ドアを開けて降りるときに、ドアの金属部分に触れる→金属に触れたままの格好で地面に足をつける→着地後に金属部分から手を離す。この順番を守るだけで放電がなされるため、静電気を劇的に減らすことができます。ドアの縁やドアロックストライカーが金属である車が多いです。
ドアロックストライカー
また、静電気には水分が増えると空気中に電子を放電する性質があります。濡れたハンカチやウェットティッシュを使って、ドアノブを触ることも有効です。

こうした動作が面倒だという方は、静電気防止(除去)グッズがカーショップなどで売られているので、試してみると良いでしょう。さまざまな裏技やグッズ類を駆使して静電気を予防し、乾燥する冬場も快適なカーライフを楽しみましょう。
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参考資料など

JAF「静電気を防止する方法はありますか?」(https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-drive/subcategory-information/faq259)、株式会社ホンダアクセス「カエライフ」(https://kaelife.hondaaccess.jp/)、株式会社ラビット・カーネットワーク「Carticle」(https://www.e-rabbit.jp/carticle/)、『図解身近にあふれる「科学」が3時間でわかる本』(左巻健男編著、明日香出版)