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1月7日は七草粥 知って納得の健康効果

2021/01/07 04:57 ウェザーニュース

1月7日は七草粥を食べる習慣があります。今回は、その由来や七草粥の効能についてご紹介します。

1000年以上前から伝わる習慣

そもそも1月7日は、「桃の節句」など「五節句」の中で最初に来る「人日(じんじつ)」の節句です。古代中国では吉凶を占い、無病息災を祈り、野草を入れた吸い物を食べる習慣がありました。

平安時代初期にこれが米、アワ、キビ、ヒエ、ミノ、ゴマ、アズキの「七穀」を入れた粥として日本に伝わり、鎌倉時代になると穀類から「七草」に代わって今でも邪気を払う縁起物として食されています。

1000年以上も前に伝わった習慣が現代でもなお残っているのは、邪気を払うという精神的なものばかりでなく、七草が持つ健康効果にも理由があると、管理栄養士の柴田聡美先生が教えてくれました。

七草それぞれが持つ健康効果

春の七草は、芹(セリ)、薺(ナズナ=ペンペン草)、御形(ゴギョウ)、繁縷(ハコベラ)、仏座(ホトケノザ)、菘(スズナ=蕪)、蘿蔔(スズシロ=大根)の7種。今ではスーパーなどでも「春の七草セット」を手に入れられます。

「昔の人が科学的に分析したはずはありませんが、七草は今の時期に特に必要な、バランスの良い栄養成分の組み合わせになっていることに驚かされます。

たとえば、セリやナズナには免疫力を高め風邪やインフルエンザを予防するビタミンAや疲労回復に効くビタミンBが含まれていますし、スズナ、スズシロには、消化を助けるアミラーゼやビタミンCが豊富で美肌効果があります。また、食物繊維も豊富なので便秘の解消にもなります」(柴田先生)
今の時期に七草をいただくというのは、冬場の青野菜が少ない時期を乗り切るための先人の知恵なのですね。

「確かに気温が低くて乾燥している今の時期は、風邪もひきやすいし、お肌も荒れることが多いので、七草が持つ健康効果が特に重要だと思います。また年の初めに消化器系の調子を整えられるのもうれしいですね」(柴田先生)

正月太りの解消にも嬉しい

「正月のごちそうでウエスト周りが気になる方にも七草粥はおススメです。1杯で約140kcal、白米の半分程度しかありませんので、少ないカロリーでおなかを満たすにはもってこいです」(柴田先生)

冬でも青野菜は簡単に入手できる現代ですが、1年に1度は先人の知恵に思いを馳せながら、七草粥をいただいて心身の調子を整えましょう。
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