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【週刊地震情報・年末拡大版】2020年は3年ぶりに国内で震度6弱以上なし

2020/12/29 11:46 ウェザーニュース

2020年に国内で観測された震度1以上の地震回数は1704回に達しました。去年に比べると少し多いものの、最近10年間では2番目の少なさです。震度3以上の地震は163回を数え、うち7回が震度5弱以上でした。震度6弱を観測する地震はなく、2017年以来3年ぶりのことです。

月別の地震回数で見ると、最も多かったのが5月の213回。少なかったのが11月の96回です。4月から5月にかけては長野県と岐阜県の県境付近で群発地震が発生し、特に5月は全国で発生した213回のうち、半数近くの104回を占めました。(12月28日まで)

国内:震度6弱以上はなし 震度5強も1回のみ

2020年日本付近でM2.5以上の地震分布(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
2020年に発生した地震で、最も強い揺れを観測したのは、3月13日・石川県能登地方を震源とするマグニチュード5.5、深さ約12kmの地震です。震央に近い輪島市で震度5強、穴水町で震度5弱を観測しています。最も揺れが強かった輪島市では建物の一部に損壊が出るなどの影響がありました。

震度6弱以上の揺れを観測しなかったのは、2017年以来3年ぶり。震度5弱以上の地震が10回に満たなかったのは去年に続いて2年連続です。全体の地震回数も含め、東日本大震災を引き起こした、超巨大地震の影響は少しずつ落ち着いていると考えられます。
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国内:M7以上の地震は2回発生も、震源が遠く大きな揺れはなし

日本で揺れを感じた地震の中で最大規模となったのは3月25日・北西太平洋を震源とするマグニチュード7.5です。カムチャッカ半島のすぐ南で発生し、日本からはかなり離れていたものの、北海道や東北の一部で震度1の揺れを観測しました。また、2月13日には択捉島南東沖でマグニチュード7.2の地震が発生し、こちらは根室市などで震度4を観測しています。いずれの地震も北米プレートに沈み込む、太平洋プレートの内部で発生したと見られます。

これらの地震の延長線上にある、千島海溝沿いでは巨大地震の発生が懸念されており、政府の地震調査推進本部は、マグニチュード8.8程度以上が30年以内に発生する確率を7~40%としています。

世界:今年の世界最大規模はアラスカのM7.8

世界のM7.0以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
2020年、アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード7以上の地震は9回発生しました。去年(10回)とほぼ同じ回数になります。

最も大きな地震は7月22日にアラスカ沖で発生したマグニチュード7.8の地震です。メカニズムは北西ー南東方向に圧力軸をもつ逆断層型と解析され、周辺には一時、津波警報が発表されました。実際にはアメリカのアラスカ州・サンドポイントの0.24mの津波が観測された程度に留まり、大きな被害にはつながっていません。

大きな被害を及ぼした地震としては、10月30日にトルコ・ギリシャの沖、エーゲ海で発生したマグニチュード7.0の地震が挙げられます。

この地震ではギリシャのサモス島やトルコ西岸のイズミルなどで建物の倒壊の被害が相次ぎ建物の崩壊が多数発生しました。震源が20kmほどと浅かったため津波も発生し、トルコでは海岸から50mほどの所まで到達しています。トルコ政府によると、地震によって100人を超える方が亡くなっています。

トルコ西部からギリシャにかけてはユーラシアプレートとアフリカプレートに挟まれている領域です。ユーラシアプレートとアフリカプレートの間には、「アナトリアプレート」と呼ばれるマイクロプレートがあるとされ、これらのプレートの運動により、幾度となく大きな地震の被害に見舞われています。

今回の震源はアナトリアプレートの西側に接するエーゲ海プレートで発生しました。この領域は南北に引っ張られる動きをしていると考えられています。地震のメカニズムは南北方向に張力軸を持つ正断層型と解析され、考えられている動きと調和的です。2017年に同じトルコ西岸で発生したマグニチュード6.6の地震も正断層型と解析されています。
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参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。