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「三種の神器」に見立てた鏡餅 上には何が乗っている?

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2021/01/05 10:21 ウェザーニュース

正月に飾る鏡餅。大きさが違う丸くて平らな餅を2枚重ね、その上にミカンを乗せたりします。鏡餅の上に乗せるものは意味があるのだそうです。

「三種の神器」に見立てた鏡餅

正月に飾る餅を鏡餅と呼ぶのは、昔の鏡は青銅製の丸形でそれに似ていることにちなんでいます。その上に乗せるものは昔から決まっていました。

「鏡餅の上には、橙(ダイダイ)と串柿(串に刺した干し柿)を飾ります。鏡餅全体を三種の神器に見立てて、鏡餅は八咫鏡(やたのかがみ)、橙は八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、串柿は天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)です」と言うのは、江戸時代初期に建立された神社の宮司さんです。

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さまざまなものが鏡餅の上に

そのほかにも地域や家によっては鏡餅の上に、干しするめ、昆布、譲葉(ゆずりは)といった縁起がよいものを飾るところもあります。鏡餅を2段ではなく3段に重ねたり、2段の鏡餅の一方を紅く着色して紅白にしたり、餅を細長く伸ばして渦状に丸めてとぐろを巻いた白蛇に見立てたものもあるそうです。

最近は鏡餅が重なった姿を型取ったポリエチレン容器に餅を入れ、プラスチック製の橙をセットにしたものが売られていますが、鏡餅の由来は覚えておきたいものです。

1月11日は鏡開き

正月に飾られた鏡餅は1月11日の「鏡開き」に下げて、皆で食べることになります。飾られていた鏡餅はひび割れ、「鏡餅の割れ方が多ければ豊作」と鏡餅の割れ方で占いをする地方もあるそうです。

鏡餅を刃物で切るのは切腹を連想させるので刃物を使わず、手や木槌で割ります。鏡餅は、汁粉、雑煮、かき餅、焼き餅などにして食べますが、あなたは何にして食べるのが好きですか?
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参考資料など

『日本のくらし絵辞典』(PHP研究所)、『季節の行事と日本のしきたり事典ミニ』(新谷尚紀、マイナビ文庫)、『絵でつづる やさしい暮らし歳時記』(新谷尚紀、日本文芸社)

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