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富士山 冠雪がほとんどない理由は…?

2020/12/23 21:27 ウェザーニュース

今日12月23日(水)の時点で、富士山の冠雪は見る方向によってはほとんどない状況となっています。

先週は北陸、信越、関東北部などで大雪となりましたが、なぜ富士山の冠雪はこんなにも少ないのでしょうか。

関東・東海では降水量が記録的な少なさ

富士山周辺の降水量観測
冠雪は、風で巻き上げられてたり、日差しの影響で昇華・蒸発して減ってしまうことが考えられます。

富士山山頂の気象統計では、先月の日最高気温の平均値は−3.7℃となっていて、冠雪が極端にとけやすかったというわけではなさそうです。

一方、富士山周辺の降水量は先月からかなり少なくなっていました。

富士山の周囲にある雨量計の統計をみると、過去60日間の降水量が平年と比べて90%以上も少なくなっているところがほとんどとなっています。山梨県の古関では平年比7%、河口湖、山中、静岡県の白糸では平年比8%、富士では平年比10%となっています。

1933年から降水量の統計がある山梨県富士河口湖町の河口湖特別地域気象観測所では、先月の月間降水量が12.0mmと11月としては2位の少雨記録、12月に至ってはまだ観測が0.0mmの状態です。

そもそも雪がほとんど降らなかったことが、富士山の冠雪の少なさに影響していると言えそうです。

御殿場側には少しだけ冠雪が

御殿場市からみた今朝の富士山
冠雪がほとんどない中では唯一、山頂の南東側(御殿場側)にのみ雪の積もっているところがあるようです。

今月の5日頃と14日頃に、富士山の風下側にだけ雲が発生して降水があったとみられ、山頂付近に加え、中腹の宝永山と須走の間あたりに冠雪が見られます。

28日頃に冠雪復活か

現時点での週間予報では、27日(日)から28日(月)頃に気圧の谷が通過する影響で、富士山周辺でも降水があるものとみられます。

この時の降水量次第で、元日の富士山の姿がどうなるかが決まるかもしれません。
» ピンポイント10日間天気予報

参考資料など

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿) 此花 さん モコ さん