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ウェザーニュースが選ぶ2020年気象10大ニュース

2020/12/16 10:48 ウェザーニュース

2020年は、新型コロナウイルス一色の1年となりましたが、その一方で様々な自然災害や自然現象もありました。
ウェザーニュースでは、独自に「2020年気象10大ニュース」を選びました。

▼2020年気象10大ニュース
1、記録的暖冬 北陸以西は雪降らず
2、東京の桜 最早の開花発表後に雪
3、梅雨の大雨 令和2年7月豪雨
4、各地でゲリラ豪雨
5、短く暑い夏 浜松で日本歴代最高気温
6、台風10号は大被害と紙一重
7、台風 12年ぶりに上陸なし
8、西之島が成長 火山ガスは列島にも
9、南極で史上最高気温を観測
10、米・北大西洋域の熱帯低気圧が最多

1、記録的暖冬 北陸以西は雪降らず

スキー場の様子 1月23日撮影
前年の12月から続く暖冬傾向は年が明けても変わらず、日本列島に寒気の流れ込みにくい状況が続きました。1月は平年を下回ることがほとんどなく、2月の上旬に一時的に寒気の南下があった程度です。

冬の期間の気温は東日本と西日本で統計開始以来最も高く、降雪量は東日本、北日本の日本海側で最も少ない記録となりました。
名古屋の初雪は2月10日までずれ込み、119年ぶりに遅い記録となるなど、雪の少ない冬となりました。

2、東京の桜 最早の開花発表後に雪

東京・靖国神社で桜開花
記録的暖冬の後を受けた3月も気温の高い傾向が続き、桜のつぼみの成長も早まりました。東京は3月9日以降、20℃前後の暖かさが続いたことで急速につぼみがほころび、13日には一部が開花。翌14日に開花発表の目安に達して、統計開始以来最も早い開花となりました。

ただ、発表当日は朝から雨が降り気温はジリジリ低下、発表された14時の気温はわずか2.5℃。雨が雪に変わり、史上初めての開花当日に雪を観測しています。

3、梅雨の大雨 令和2年7月豪雨

冠水した熊本県人吉市 7月4日午後撮影
7月に入り日本付近に停滞する梅雨前線の活動が活発になりました。インド洋の海水温が高かったことや、太平洋高気圧の西への張り出しが強かったことなどから、大量の水蒸気が九州付近に流れ込み、度々線状降水帯を形成。多い所では1週間で1000mm以上の雨が降って、球磨川の氾濫などにより甚大な被害が発生しました。

豪雨が峠を越えた後も、太平洋高気圧は北への張り出しが弱く、各地の梅雨明けは平年より遅くなりました。東北北部は8月に入っても天気がすっきりせず、梅雨明けの特定ができませんでした。

4、各地でゲリラ豪雨

巨大な雨柱 9月11日
この夏は盛夏期が短かったこともあり、ゲリラ豪雨による被害の発生はそれほど目立ちませんでした。それでも梅雨入り直前の6月6日、関東で局地的に雨雲が発達し、埼玉県熊谷市ではわずか10分の間に50.0mmの日本歴代1位となる猛烈な雨を観測しました。(※1時間に50mmの雨が降ると道路が冠水するレベル)

また、大阪では9月に入ってゲリラ豪雨に見舞われ、巨大な雨柱が目撃されました。

5、短く暑い夏 浜松で日本歴代最高気温

静岡県浜松市で日本歴代最高気温を記録
梅雨明けは遅れたものの、上空10000mにまで及ぶような背の高い高気圧に覆われたことで、8月は各地で厳しい暑さに見舞われました。静岡県浜松市では16日に40.2℃まで上昇。翌17日はさらに気温が上がって、2018年に埼玉県熊谷市で観測した日本歴代最高気温に並ぶ41.1℃を記録しました。

こうした厳しい暑さの注意喚起を強めるため、気象庁は関東甲信地方を対象に「熱中症警戒アラート(試用)」の運用を開始。8月4日に東京都などに初めて発表されました。2021年からは全国で開始することが決まっています。

6、台風10号は大被害と紙一重

台風10号の様子 9月5日
2020年に最も大きく影響したのは台風10号です。最盛期には中心付近の最大風速が50m/sと非常に強い勢力まで発達(速報値)。日本に接近時も勢力を保つことが予想されたため、気象庁は異例の事前会見を行い、一時は特別警報の発表が示唆されました。

実際には当初の予想ほどの勢力ではなかったものの、九州に接近した際も非常に強い勢力を維持し、長崎県野母崎で最大瞬間風速59.8m/sを観測。上陸はしなかったものの、死者行方不明者が6人など大きな被害をもたらしました。
また、新型コロナウイルスが流行していたこともあり、避難所での感染症対策などの課題が浮き彫りになりました。

7、台風 12年ぶりに上陸なし

2020年は12年ぶりに台風の上陸がありませんでした。太平洋高気圧の西への張り出しが強かったことで、7月は台風の発生がなく、8月も高気圧が進路を阻んで日本には近づけませんでした。

9月は4個、10月は過去最多の7個と発生数は増えたものの、上陸には至らず、本土への接近数も去年より少ない5個に留まっています。

8、西之島が成長 火山ガスは列島にも

小笠原諸島・西之島の噴煙 7月20日
小笠原諸島の西之島は6月頃から活動が活発になりました。噴煙の高さが5000m以上に達することがあり、気象衛星ひまわりでも、噴煙の様子がはっきりと確認できるくらいでした。

西之島から噴出された二酸化硫黄は太平洋高気圧の周囲を吹く風によって日本列島まで到達しています。秋以降は活動が沈静化し、落ち着いた状況です。

9、南極で史上最高気温を観測

イメージ
2月6日にアルゼンチンの南極基地である、エスペランサ観測基地で18.3℃の史上最高気温を観測したとWMO(世界気象機関)が発表しました。

フェーン現象による局地的な気温の上昇が直接的な要因ですが、背景には地球温暖化による平均的な気温の上昇があると考えられています。

10、米・北大西洋域の熱帯低気圧が最多

9月15日時点でアメリカ周辺で発生していたハリケーン
日本付近では台風が少なかった一方で、アメリカ・北大西洋域では熱帯低気圧が相次いで発生しました。

トロピカル・ストーム(日本の台風に相当)まで発達した数は過去最多で、事前に決められた名称を使い切って、2005年以来、2回目のギリシア文字の名前がつけられています。ハリケーン・Zetaはギリシア文字の名前を持つハリケーンとして初めてアメリカ本土に上陸しました。

参考資料など

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
ラーク博士さん大阪府枚方市の空

衛星雲画像:(情報通信研究機構(NICT)より)