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そのまま捨てたらもったいない?使い捨てカイロの再利用法

2020/12/12 07:18 ウェザーニュース

寒い日に体や手先を温めるための手軽で役に立つ方法として、何と言っても使い捨てカイロの使用が最初に思い浮かびます。ただし、普通の使い方で“暖房効果”を維持してくれるのはせいぜい数時間。冷めたあとはごみ箱行きという、もったいないイメージの商品です。けれど、そんな使い捨てカイロには思わぬ再利用法があるとのこと。

家事代行のプロフェッショナル、株式会社ベアーズ大阪支店の教育教官・岩嵜紀子(いわさき・のりこ)さんに使い捨てカイロの有効利用について伺いました。

袋のままブーツや靴に入れれば消臭剤に

「まずは、使い捨てカイロの構造と、熱を発する仕組みを説明しましょう。市販されている商品はビニール風の袋に包まれた不織布、その中に活性炭とバーミキュライトという人工用土、さらに水分と鉄粉が混じっています。

カイロは空気に触れると発熱が始まるように作られています。それを防ぐために外袋は専用の特殊なフィルムを用い、不織布も空気の透過量がコントロールできるようになっています。

鉄は空気中の酸素と反応すると酸化鉄(水酸化第二鉄)に変化します。このときに発生する熱を有効利用したものが、使い捨てカイロなのです」(岩嵜さん)

そのうち、再利用が可能なのはどの成分なのでしょうか。

「まず、活性炭に消臭効果があることはよく知られていますよね。冬場はブーツの出番が増えます。とくに女性は脱いだ後に必ず消臭剤を入れる方が多いと思いますが、結構お金がかかるものでもあります。

そんなとき、ぜひ効果が切れた使い捨てカイロを使ってみてください。冷えた袋のまま、ブーツや靴にそのまま入れるだけ。消臭剤として売られている商品より炭の量が少ないため持続時間は短いですが、カイロの中の活性炭が、内側の臭い成分を吸着してくれます」(岩嵜さん)

吸湿剤への再利用も

「使い終わった使い捨てカイロの中身は、靴箱全体の消臭に加えて吸湿にも使えます。実はカイロの成分のひとつ、バーミキュライトは一般的には観葉植物の保水土として使われる素材です。使い捨てカイロには意外と多くの水分が含まれているのですが、さらさらして感じられるのはバーミキュライトの表面に開いた小さな穴に、水分を取り込んでいるからなのです。

もちろん一般的に売られている除湿剤よりは効果が弱く、持続時間も短いですが、何もしないよりは一定の効果は期待できますので、靴箱やクローゼットなどで試してみてはいかがでしょうか」(岩嵜さん)

再利用の有無にかかわらず自治体の分別に従い廃棄

使い終えた使い捨てカイロは、再利用をした、しないにかかわらず、お住まいの自治体の決まりに従ってきちんと廃棄する必要があります。

「使い捨てカイロの分別は、市区町村によって『不燃ごみ』『燃えるごみ』『金属・陶器・ガラスごみ』など、ばらばらなのです」(岩嵜さん)

最後の捨て方にも十分な注意をはらいつつ、冬に重宝する使い捨てカイロを再利用してみてはいかがでしょうか。
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