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冬に多い目の不調に効く クコの実とアワビとレバーと…

2020/12/10 05:02 ウェザーニュース

この時期、目の疲れを覚えることはありませんか?気温が下がる冬は目の周辺の筋肉や網膜への血流が低下することが原因と考えられます。

東洋医学でも、「精血」(せいけつ:血液の上澄み)が目を滋養するので、血液の状態が悪くなると目の疲れや視力の低下をもたらすとされます。しかし、「疲れ目など目の不調は食材で改善できます」と源保堂鍼灸院の瀬戸佳子先生が言います。

視力低下やかすみ目にクコの実

「視力低下やかすみ目、目の乾燥などの症状があるときに使われる漢方薬に『杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)』がありますが、これに含まれているのがクコの実です。クコの実は血液を増やし、身体の潤いを増します。最近はスーパーフードとして注目されていますが、東洋医学の世界では昔から使われていました」(瀬戸先生)

クコの実はアンチエイジング効果もあり、加齢による視力低下や目のかすみのほかにも、白髪、足腰の痛み、加齢による空咳(からぜき)などにも効果があるそうです。

眼精疲労や目の充血・かゆみにアワビ

「貝原益軒が書いた『大和本草』には、『アワビは肉も殻も目を明にす』とあり、アワビは実だけでなく殻も目に効くとあります。特に眼精疲労や目の充血・かゆみに効き、のぼせやほてりがある人の目の症状によいとされています」(瀬戸先生)

アワビは長寿をもたらす食べ物として古くから重宝されてきました。高価な食べ物なので日常的に摂ることは難しいですが、目の症状が気になるときのご馳走として非常に優れたものといいます。

夜に視力が落ちるようならレバー

「東洋医学では、肝臓は目とつながっていて、肝臓を補うことで目も補うとされます。弱っている肝臓を補うには、鶏や豚のレバー(肝臓)を摂ると効果的です。特に夜になると視力が落ちたり、かすみ目になりやすい人はレバーを積極的に摂ってください」(瀬戸先生)

東洋医学では、以臓補臓(いぞうほぞう)といって、弱っている臓器を食することで、その臓器を補うという考え方があるそうです。

貧血の人は鉄分の多い食材を

このほか目によい食材として、菊の花とハブ茶もオススメです。

「菊の花は、目の充血、熱感をともなう目のかすみ、血圧が高めの人の目の症状を改善します。刺身のツマにも使われますが、酢の物やおひたし、汁の実などで摂ってください。また、ハブ茶(植物の種)は生薬名を『決明子(けつめいし)』といい、目の充血、腫れたような痛み、疲れ目などに効果があります」(瀬戸先生)

貧血気味の人は血液量が少ないので、精血の量も少なく目の症状を訴える人が多いといいます。日頃から鉄分の多い食材(レバー、貝類、イカ、タコ、赤身の肉、魚など)を積極的に摂って貧血の解消に努めるとよいそうです。

「目を使う作業が多い人は精血が汚れて、目のかすみや疲れ目につながります。早寝をすると精血の汚れが取れます。目が疲れたと思ったら、目の症状を改善する食材を摂って、早めに寝ると目の回復が早まります」(瀬戸先生)

人は情報の80%を目から得ているといわれます。それだけ目を酷使しているのですから、目が疲れやすい冬はいつも以上にいたわってください。

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